TBS田村真子アナ、ビリビリ椅子が「すごく嫌な時期があった」 来年迎える30代は“心のゆとりある生活”を
「入社8年目を迎えて、たくさんの思い出があるのですが、特に『ラヴィット!』が始まってからの4年間はどんどん時間のスピードが早く感じるようになりました。20代のうちは、ちょっとぐらいしんどくても、今頑張っていた方がいいだろうなと思って駆け抜けてきて、ここ2~3年はずっとマラソンの最後の3分の1を永遠に走っているような感覚があります。実際にマラソンを走ったことはないんですけど(笑)。でも、大変なこともあるけれど、振り返った時に絶対にこの時期が自分の中で大きかったなって思えると確信しています」と慌ただしくも後悔のない20代を過ごせた様子。
しかし今後の展望を語るのは少し苦手なようで「エッセイにも書いたのですが、あまり先のことを考えずにここまでやってきてしまいまして。上司面談でも聞かれるんですよ、『次はどんな仕事をやっていきたいの』って。でも、考えても考えても思い浮かばないし、考えなきゃいけないんだろうなと思いつつも考えてこなくて、上司にも『今が必死すぎて、未来のことを考えていたら、毎日の『ラヴィット!』でいろんなことができなくなってしまいます』と誤魔化してきました。具体的にやりたい番組は今のところないのですが、例えば「報道をやりたい」と思った場合、今の『ラヴィット!』での動きに葛藤がでてきちゃいそうとは思っていて。だから30歳になったらもう少し長い目で自分のキャリアについて考えられるように、心のゆとりが作れるような生活を送っていかなければと思っています」と話す。
ただ、新人の頃から報道番組を担当し、その後『ラヴィット!』のMCになり、現在では『ラヴィット!』以外のバラエティー番組の出演も増えている田村は、これまで築いたキャリアが唯一無二であると自負しているよう。「今活躍されている先輩たちのようになれるのならなりたいと思いつつ、『ラヴィット!』自体がTBSの中でも今までなかった特殊な番組なので、これを経験してきたわたしにしかできないキャリアの積み方をできればと漠然と思っています。培ったものをどう生かすかはやってみないと分からないのではっきりと言えないのですが、こんな経験をしてきているアナウンサーは今までのTBSにもいないんじゃないかと思うので、それを生かしたお仕事ができればいいなと思います」と展望を語った。
自分は真面目な人間だと思っていたが、今回のエッセイで友人から寄稿してもらったところ、学生時代に、はんにゃ・金田哲考案の「ズクダンズンブングンゲーム」を教室の後ろでやるような“ひょうきんな人間”だったと再確認できたという田村。アナウンサーとしての高い技術を持ちながら、根っこの部分にはお笑いの血も流れている。そんな田村の性格が、日本でいちばん明るい朝番組『ラヴィット!』をさらに明るくしているのかもしれない。
(取材・文:阿部桜子 写真:上野留加)
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