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及川光博&手越祐也が語る“ポジティブの秘けつ” 大切なのは「1人にならないこと」

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■及川が語る「ミッチーを忘れる」役作り

 「テゴちゃんはこう見えて気配り上手で、人に対して優しいんです。“こう見えて”って、すみません(笑)。こうやって楽しくおしゃべりしているときは盛り上がるし、僕が疲れてぐったりしている時は、そっとしておいてくれるんです。人との距離感を測るメジャーを持っている男という印象があります」(及川)

 「俳優の方なのでオンオフの切り替えがすごくて、一緒にお芝居している波多野玄一は完全に玄一なんです。そこにミッチーの香りが全然しない。でも今、隣にいるのは“ザ・王子様”なミッチー。想像はしていたのですが、このギャップに皆さん、惹(ひ)かれたんだなと改めて感じました」(手越)

(左から)手越祐也、及川光博
 手越が感じた通り、今回及川は「ミッチーを忘れる」という役作りのアプローチを取ったと語る。及川演じる玄一は、心優しく、不器用なゲイで、50歳の動植物園の職員という役どころ。スタイリッシュな及川のパブリックイメージとかけ離れたビジュアルで、オーバーサイズの服を選び、髪型も無造作だ。及川は、玄一を演じる際は「ミッチーという透明の着ぐるみを脱ぐ」ところから始めるという。

 「僕は“ミッチー”というキャラクターを“透明の着ぐるみ”と表現しているのですが、本作の撮影現場に入る時は、それを脱いでから役と向き合っています。これは僕のキャリアの中でもなかなか珍しいパターンです」

 “ミッチー”をリセットし、玄一をつくり上げるポイントとして挙げられたのは、パンツのはき方と姿勢。「“ルーズなパンツを腰ではく”という新しい挑戦もしています。玄一は『こんなに太いの?』って思うくらいのパンツを腰ではくんです。僕は細身のパンツをウエストではきたい男なので、現場でどんどん上げちゃうんですよね。そうすると衣装さんにどんどん下げられる…。ふざけているわけじゃないんですよ(笑)」と笑う。

及川光博 ドラマ『ぼくたちん家』第1話より (C)日本テレビ
 続けて「姿勢を正さないことを意識的にしています。というのは、常日頃の自分だと背筋も伸ばすし、胸も張る。玄一はそういうキャラクターではないので、本番前、全力で力を抜くっていう作業をしています。で、自然体というか、気取ることなく無理のない楽な体勢で芝居をすることを心がけています」と“ミッチーを忘れる”プロセスを明かす。

 自身と玄一の共通点は中年であること以外あまりなく、それが芝居の醍醐味(だいごみ)であると及川は語るが、「誰も傷つけたくないし傷つきたくない。というところが玄一との共通点だと思います。…ちょっといいこと言えてるよね!?」と場を和ませる。

 一方で、手越が挑戦するのも新境地が期待される役どころ。トレードマークの金髪ではなく黒髪で挑む索は、クールに見えて根は情熱的なゲイで、38歳の中学教師だ。もともと芝居に限らず、アーティスト業でも衣装や髪型で表現のスイッチが変わるという手越。さらに、失恋ソングやネガティブな楽曲も手越がカバーすればちょっと明るい表現に変わるという、いわば“手越節”なるものも持っているのだという。それは索の役作りにも反映されており、手越が演じると台本に書かれたフラットな状態の索にポジティブな要素が付け加えられるらしい。そこで大切にしているのがスタッフとのコミュニケーション。

 「監督、プロデューサーの方々が思い描く索と、手越が思う索のいい着地点を見つけることが、今の現場での楽しみです。芝居も歌と一緒で正解はないと思うのですが、玄一と索の距離感や、索の人たらしな部分の見せ方などを監督たちと話し合って、索を一緒につくって、着地点を探っていくのがすごく楽しいです」と目を輝かせながら語る。

 そんな本作は、手越が20年前に高校生役で出演した『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』の河野英裕がプロデューサーを務めているほか、7年前にゲイであることをカミングアウトした、日本テレビ報道局ジェンダー班・白川大介プロデューサーが、1年前に河野から相談を受けて、“インクルーシブプロデューサー”として参加している。白川は、当事者と取材者、両方の経験を生かして作品づくりに携わっており、取材にも同席していた。

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■「皆さんの心に残り続けるドラマに」

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