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舘ひろしが語る“銀幕スター”の条件 共演の眞栄田郷敦に太鼓判「眞栄田くんはそういう存在」

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■舘ひろしが、石原裕次郎さんと渡哲也さんから受け継いだものとは?

――若手随一の実力派である藤井監督と、日本映画界を代表するキャメラマンである木村大作さんがタッグを組んだことでも話題の本作。全編フィルムで撮影が行われ、藤井監督は「木村大作さんとの共同作業は、発見と勉強の連続だった」とコメントしています。撮影現場で目にしたお二人の様子について教えてください。

映画『港のひかり』場面写真 (C)2025「港のひかり」製作委員会
舘:大作さんは“映像はキャメラマンのものだ”という考えがあるので、監督がモニターを見ることを拒否するんですね。つまり、藤井監督はモニターを一切見ずに撮影を乗り切ったわけです。これまで藤井監督は、ずっと一緒にやっているキャメラマンと「もうちょっとこうした方がいいね」と画を決めながら撮影してきた。でも今回は、初めて藤井監督が自分で画角を決めずに挑んでいる。そういった点でも、すごく意味のある映画だと感じています。

 きっと藤井監督は、不安だったと思います。でもその不安が、いい方向に作用している気がしていて。例えば、ここにペットボトルが置いてあり、その横に倒れそうなコマがあったとすると、誰もがコマの方を見ると思うんです。エンタテインメントや俳優も同じで、きっと人は安定しているものより、不安定なものに惹かれるんじゃないかな。

――たしかに三浦、そして幸太も不安や揺れる心を抱えながら突き進んでいきます。

舘:そうなんです。三浦や幸太と同じように、藤井監督も戦っていたわけです。

舘ひろし
眞栄田:監督にもこだわりがあって、大作さんにもこだわりがあって。大作さんは厳しいけれど愛がある方なので、みんなが生き生きして撮影に臨んでいました。そういった現場に参加できて、とてもうれしかったです。

――舘さんは、藤井監督と企画について議論を重ねる中で、三浦という役柄や強い男とは何かを考えた時に「石原裕次郎さんや渡哲也さんの生き様が頭をよぎった」とのこと。お二人との出会いによって、ご自身にどのような変化が起きたと感じていますか?

舘:不良がまともになったということでしょうね(笑)。僕が石原さんに持っているイメージは、何でも受け入れる人。何でも許容できる大きさがある。渡さんは、思いやりかな。人に対する思いやりは、渡さんから学ばせていただいた気がしています。

――眞栄田さんにとって、“強い男”とはどのような人になりますか?

眞栄田郷敦
眞栄田:男性に限らず、強い人というのは“弱さを知っている人”なのかなと思います。幸太も幼少期にいろいろと大変なことがあって、弱さを知っているからこそ、強く生きようという意志が芽生えて、人にも思いやりを持つことができるようになった。そう感じています。

舘:強い男なんて、いないんです。男は弱いもので、強くなろうとしている男がいるだけなんだよね。

――必死に強くなろうとするからこそ、三浦と幸太はカッコよく魅力的なのかもしれません。

眞栄田:僕にとって追いかけたい背中は、舘さんです。でも絶対に同じようにはなれないと思います。

舘:いやいや、なれるよ! というかすでに追い越していると思うよ!

(取材・文:成田おり枝 写真:松林満美)

 映画『港のひかり』は、11月14日より全国公開。

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