柴咲コウ、“律する”という意識が強くあった時代を経て「ここらへんでまた爆発したい」
映画『兄を持ち運べるサイズに』場面写真 (C)2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会
マイペースで自分勝手、しかしどこか憎めない兄を演じたオダギリジョー。その存在が、理子の内に渦巻くコンプレックスを鮮やかに浮かび上がらせた。
「うまいこと憎たらしいんですよね(笑)。親が死んだ時にゲームをピョコピョコやって、ケロッとタバコを吸ってみたいな。腹立ったわーって。演技の枠を超えていたかなって思うんですけど。そういうのを自然に表現されるオダギリさんはすごいなと。妹としての立場の弱さとか、どこか兄ちゃんはキラキラしているところもあって勝てないってずっと思っている。そしてまたお金を貸してしまうという(笑)」。
映画『兄を持ち運べるサイズに』場面写真 (C)2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会
そしてもう一人、柴咲が絶大な信頼を寄せるのが、兄の元妻・加奈子を演じた満島ひかりだ。普段は人に頼ることがなく、むしろ頼られることの方が多いという柴咲が、唯一「寄りかかってしまう」特別な存在。
「満島さんの存在にめちゃくちゃ助けられて、なんならかなり寄りかかっていました。年下なのに(笑)。めちゃくちゃ心強くて。スーパー自立しているし、自分の意見をしっかり持っている方なので居心地がいい。私は普段人に甘えられないのですが、彼女には甘えられる。本当に珍しいです」。
その関係性は、単なる共演者という言葉では言い表せない、もっと深い部分で繋がっている感覚がある。
「なんというか、いにしえからの縁を感じるんですよね。何千年前ぐらいの、前世ぐらいからの。でも、そういう人ほどベタベタしないんですよ。頻繁に連絡取ったりはしないタイプ。成熟した魂って感じです、彼女は」。

