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岩田剛典、36歳の今たどり着いた“超どうでもいい”境地――俳優業へのコンプレックス、「頑な」だったこだわりが変化

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■「どうでもいい」と笑う――俳優としてのコンプレックスを脱ぎ捨てた先

 瀧本智行監督、石井裕也監督、入江悠監督、白石和彌監督などの作家性の強い監督作品から、ポップなエンタメに特化した作品まで、岩田のフィルモグラフィーは、驚くほど多彩な監督陣の名前で彩られている。そのバランス感覚には、俳優業に対する確固たるビジョンが透けて見える。しかしその裏には、アーティストという出自を持つがゆえの、長い葛藤があった。

 「俳優ってやっぱりイメージ商売だと思っていて。演じる役柄でその人のイメージが固まっていく仕事だから。僕は、この10年ぐらいは、どうしたってグループでデビューしているので、アーティストというかアイドルというか、そういう側面がある。俳優からスタートした人とは、やっぱり見られ方も違うという中で、どうやったら俳優として見てもらえるのかなというのを考えてやってきました」。


 “俳優”として見られたい。その一心で、岩田は「頑な」だったという。パブリックイメージという名の鎧を自ら壊し、新たな自分を築き上げる。その繰り返しだった。

 「俳優業界のスタッフの方からも中途半端な人間だと思われているような気がしてしまって。だから、いつしかキラキラした役のオファーをいただいても、もう全部断っていましたし。それを続けていっても、10年後の自分に残るものがないと思っていたんです。代わりはどこからでも出てくるから。俳優としてチャレンジしたかったというのがこの10年ぐらいでしたかね」。

 しかし、10年の時を経て、岩田の心境は劇的な変化を遂げる。かつて頑なに守ろうとしていたこだわりも、今では笑い飛ばせるようになった。

 「それでずっとやってきたじゃないですか。こうやって10年経って今、マジでそれすらも“超どうでもいい”んですよね。小さいなって(笑)。歩んできた道は自分でしかないから、もうそれが自分の人生の色なんですよね。別に人と比べることもなくなったし、俳優とも思っていないし、アーティストとも思っていないというか。もう、岩田剛典としてここまで生きてきちゃったから、この先、岩田剛典として生きていくしかない。だからもう、最近は『こうしよう、ああしよう』とブランディングしていくなんてことは、全く思わなくなりました」。

映画『金髪』場面写真 (C)2025 映画「金髪」製作委員会
 その変化は、何か特別なターニングポイントがあったわけではないという。様々な現場で「いろんな味を知った」からこそ訪れたものだ。経験という財産が、岩田を意固地な自分から解放した。

 「この歳で、色々経験したなと思っていて。そうなると、なんとなく着地点が見えるというか。昔みたいに意固地になって『これはやりたくない』とかもないです。ありがたいなと思って、本当に毎回。肩の力が抜けたというか、格好つけることに疲れたというか(笑)」。

 以前は、メディアで発する言葉一つひとつに気を遣い、肩ひじを張っていた。だが今は、そんな自分からも自由になった。自然体でいられる今が「何よりも楽しいですね」と笑う。

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