あの流、負のエネルギーをプラスに変換する方法「自分の“できなさ”に目を向ける」
『哲学なんていらない哲学』という、一見すると矛盾を含んだ刺激的なタイトル。そこには、難しい言葉や高尚な理論にアレルギーを持つ人々へ向けた、あのなりのメッセージが隠されている。否定的な言葉の裏側にこそ、真実が宿っているという実感があるからだ。
あの著『哲学なんていらない哲学』書影(C)KADOKAWA
「『何々なんて』という、ちょっと否定的な言葉を言われることが僕は多いし、僕も言っちゃってる時がある。ぶっちゃけ『哲学なんて、なくても生きていけるでしょ』とか思っていたけど、でもなんかそういう考えで生きている時点で、それが哲学になっているとも言えるんですよね。気づかないうちに哲学のもとに生きているっていう感覚が、自分には合っていたんです。なんかそういうのが僕自身あるから、『哲学なんて』って思ってる人が読んでもらえるタイトルにしたかったし、やっぱりそういう否定をする所にもう既に哲学があると思っているから、こういうタイトルにしました」
書き上げた今、本音を漏らせば「あまり読んでほしくない」という羞恥心もある。それは、自身の根幹にある「当たり前」をさらけ出したからこその葛藤だ。しかし、その個人的な「当たり前」が、誰かの視点を変える可能性を秘めていることも理解している。

「自分にとっては当たり前なことだったり、当然なことをあえて今回は形にした。だから改めてそれを読まれるっていうのはちょっと小恥ずかしいんですよね。けどきっと、誰かの当たり前が僕にとっての当たり前じゃないというのもあるし、だからこそ僕の当たり前がみんなにとっての当たり前じゃなかったりしたら、新たな思考だったり感情がもしそこで生まれる可能性があるとしたら、すごく恥ずかしいけれど、出す意味があるのかなと思っています」

