あの流、負のエネルギーをプラスに変換する方法「自分の“できなさ”に目を向ける」
SNSなどを通じてファンから寄せられる重い相談。それらを受け止め、共鳴することで自身も痛みを感じることがある。しかしあのは、その「負」の感情に呑み込まれることはない。むしろ、そのネガティブなエネルギーを燃料とし、創作や表現へと昇華させる強固なシステムを内面に構築している。
「僕のなかでは『気が病む』って、決して悪いと思ってなくて、負のエネルギーを変換ができるタイプなので、エネルギーに変えるというか、負を負にしないっていう思考回路なんです」

世間一般では、自分の長所や「できること」を伸ばそうとするのが定石だろう。だが、あのは違う。自身の欠落やコンプレックスを直視し、それを原動力に変える。あのが放つ圧倒的なエネルギーの源泉は、自らの弱さを「武器」と認める覚悟にあった。
「やはり復讐心があるから、何でも負の言葉や負のパワーを自分の得にするというか、自分の武器に変えるという覚悟のようなものを持っているんです。自分には良いところがないなと思うことが多くて、そういうのも原動力になっているかもしれません。良いところがないのなら、これだけ負のパワーをもらうんだったら、それをどうにか活かせないかなというのが、僕のなかにはあったので。できるところに目を向けて伸ばしていこうという思考は多いと思いますが、僕は自分の『できなさ』に逆に目を向けるというか。そうすれば負の感情もエネルギーに変換できるんだと思います」。(取材・文:磯部正和 写真:高野広美)
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