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石見舞菜香×川井田夏海、『ふつつかな悪女』で挑んだ“身体と心”の入れ替わり演技

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■玲琳と慧月、正反対の二人に宿る“強さ”と“痛み”

――玲琳は「愛される雛女」でありながら、実はどんな困難にも屈しない“鋼のメンタル”の持ち主です。お二人から見た彼女の印象は?

石見:見た目や雰囲気とのギャップがすごくありますよね。境遇としては、常に身体がつらくて、熱もあり、節々も痛い。周りが過保護になってしまうのも当然なくらい、「その状態で動いて大丈夫なの?」と思ってしまうような身体で生きているキャラクターなんです。でも、とにかく心が強いんですよね。

川井田:そのつらい状態で修練をして、「これでまた、より高みに上れますね」と言えるような環境で育ってきているんですよね。だから、弱音を吐かない。本人もそう決めているし、周りもそうさせてきた部分があるのかなと思います。

石見:玲琳にとっては、自分の身体や運命そのものが、本来すごくつらいものだと思うんです。だからこそ、そのつらさに蓋をしているがゆえのタフさや強さなのかなと感じる瞬間があります。死んでしまうことに対しても、どこか覚悟があるというか、覚悟していると思い込んでいるようなところもあって。

川井田:少し諦めに近いものも、きっとありますよね。だからこそ、入れ替わった時の爆発力がすごいんだと思います。自由に動ける身体を手に入れて、大興奮で大暴れして(笑)。

石見:そうですね。これまで当たり前ではなかったことを、人一倍幸せに感じられる子なんだと思います。普通に動けること、自由に走れること、身体が思い通りになること。そういう一つひとつを、心から喜べるキャラクターなんだなと感じました。

テレビアニメ『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』場面カット(C)中村颯希・一迅社/「ふつつかな悪女」製作委員会
――そんな玲琳と入れ替わる慧月は“悪女”と呼ばれる存在ですが、彼女についてはどのように感じましたか?

川井田:逆に言うと、慧月は“諦めていない人”だと思うんです。自分が負けている、誰かより劣っているという状況をどうしても打破したい。そういう思いがあるからこそ、あれだけ大胆なこともできてしまうのだと思います。

ある程度の生活は保証されているので、「もういいや」と諦めていたら、きっとあんな行動は取らないはずなんです。でも、「あの人にだけは負けたくない」という気持ちがある。だからこそ入れ替わりという、自分の身体を差し出すことにもつながるような大きな行動に出られたのかなと。そういう意味では、すごく力強い女性だと思います。

ただ、その力の使い方がうまくないんですよね。本来持っているポテンシャルはとても高いはずなんです。でも、自己評価が低いから自分の良さにも気づけていない。だから人に利用されてしまうところもある。玲琳と関わる中で、慧月自身が気づいていなかった魅力や強さを見つけて、少しずつ自分のことを好きになっていけたらいいなと思いました。

石見:慧月は、いい意味でも悪い意味でも、すごく渇望を抱えている子なんだと思います。常に喉が渇いているような状態というか。最低限の水はあるはずなのに、「もっと飲まないと死んでしまう」と思っているような、どこか切実な危機感を抱えている印象があります。

でも、その欲求の発散の仕方や、人との向き合い方がとても不器用なんですよね。それはきっと、慧月が育ってきた環境や、これまで向けられてきた言葉、家族との関係が大きく影響しているのだと思います。自分の中にある感情をどう扱えばいいのか分からない。誰かにどう伝えればいいのかも分からない。相手を貶めることでしか、自分が今の場所から救われる方法を知らなかったのかもしれません。

だからこそ、玲琳からまっすぐな言葉を投げかけられたときに、はっとする瞬間があるんです。慧月の中にも、ちゃんと言葉は届いている。歪んでしまった部分はあっても、根っこの部分にはピュアさが残っているキャラクターなのだと思います。

テレビアニメ『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』場面カット(C)中村颯希・一迅社/「ふつつかな悪女」製作委員会

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■声だけではない、“身体と心”で演じる入れ替わりの難しさ

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