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石見舞菜香×川井田夏海、『ふつつかな悪女』で挑んだ“身体と心”の入れ替わり演技

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■声だけではない、“身体と心”で演じる入れ替わりの難しさ

――入れ替わりものは、演じる側にとっても“二重の役作り”が求められる作品だと思いますが、収録も大変なのでは?

川井田:本当に大変ですね。毎週収録でお会いするたびに、「これ、合ってる?」「今どっちだっけ?」と確認しながら、私たち自身もずっと玲琳と慧月を追いかけていました。

石見:完成した映像を見て、初めて「あのディレクションはこういうことだったんだ」と腑に落ちる部分もあったり。アフレコブースで聞いている音と、マイクを通してスタッフブースで聞こえる音では、印象がかなり違うみたいなんです。キャストの中に一度スタッフブースへ聞きに行ってくださった方がいたのですが、アフレコブースで聞いていると、声が入れ替わったときに「どちらが話しているのか」が分かりやすい。でも、マイクを通すとそっくりに聞こえるらしくて。

川井田:私たち、声のトーン自体は全然違うのに、不思議ですよね。第1話の最初のテストでは、私も石見さんが演じる玲琳にかなり寄せていたんです。最初は、ほぼ同じ音色くらいに近づけた方がいいのかなと思っていて。

でも、そこで「分けましょう」というディレクションをいただきました。身体は慧月だけれど心は玲琳、という状態のモノローグを石見さんが担当される場面もあるので、元の声まで似てしまうと、かえって見ている方が混乱してしまう。だから、入れ替わっていることは感じさせつつも、誰の身体で、誰の心なのかがきちんと伝わるように、あえて声の方向性を分けていくことになりました。

テレビアニメ『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』場面カット(C)中村颯希・一迅社/「ふつつかな悪女」製作委員会
石見:声そのものだけではなく、身体の状態や感情の出し方もすごく意識しました。同じ玲琳でも、私が演じる玲琳は身体が弱い状態なので、線の細さや、常にどこか苦しさを抱えている感じを大切にしていました。

一方で、川井田さんが演じる“慧月の身体に入った玲琳”は、身体が元気で、声のトーンも少し低め。その低さを保ったまま、玲琳らしい感情をどう表現するかが大事になってくるんです。身体の丈夫さや、筋肉がある感じも含めて、玲琳の心とのバランスを取る必要がありました。

逆に、“玲琳の身体に入った慧月”は、感情としてはすごくパワフルなんです。憎しみや怒りを強くぶつけるキャラクターだけれど、身体は熱があって苦しいまま。だから、感情は激しくても、声や存在感には線の細さがある。そのギャップをどう出すかは、とても難しくもあり、面白いところでした。

川井田:その塩梅を探る作業は本当に難しかったです。でも、ただ声を似せるのではなく、身体と心の組み合わせでキャラクターを立ち上げていく感覚があって、すごく面白い収録でした。

テレビアニメ『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』場面カット(C)中村颯希・一迅社/「ふつつかな悪女」製作委員会

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