相川七瀬、長くて重いデビュー30周年 2度目の武道館は「過去、未来、現在、全部を楽しんでもらえるライブに」

――先ほどお話がありましたが、大学や大学院に進学されたことはご自身の中でもかなり大きかったですか?
相川:大学に入ったのが2020年で、ちょうどコロナ禍が始まった年でした。元々仕事をセーブして、最初の2年間は大学に集中するつもりで準備をしていました。仕事もライブ活動しかやらないつもりでいたら、コロナ禍になって入学式もなかったんですよね。
だけど、仕事をセーブするって決めていたから、仕事がなくなっていくことに対しての不安もなく、慌てないでいられた。講義がオンラインになったことによって仕事もできて、子どももリモートで家にいたから子どものことも見ることもできた。私としては、勉強ができればパーフェクトと思っていたのに、仕事までさせてもらって、家のこともちゃんと見られる状況になって、3つが叶った状況。2020年はいろんな大変なことがあった年だったんですけど、内面ではすごく充実していて、勉強面では充実した大学生活を過ごすことができました。
――相川さんのいろんなことにチャレンジしていくバイタリティーの源はどんなところにあるのでしょう。
相川:やっぱり興味がある、好きであるっていうことなんだと思います。好奇心や興味って、大人になるとすぐに動けなくなってしまうけど、なるべく私はそういうものに正直にいたいなって思っていて。感性を研ぎ澄ませる仕事に就いている以上は、自分の中に湧いてきた興味を自分でシャットしたら、もう伸びしろがないミュージシャンになってしまうんじゃないかっていう気持ちもある。衝動に素直っていうのがバイタリティーの源泉なのかなと思います。
――最近は熱心な横浜DeNAベイスターズファンとしても知られます。
相川:子どもをきっかけにハマったんですけど、年齢を重ねれば重ねるほど、趣味が多い方が楽しいですね。新しい人間関係もできるから、いい野球友達もいっぱいいますし、すごくいい推し活になっています。
――先日の「テレ東音楽祭」での変わらないロックなパフォーマンスがSNSで話題でした。
相川:幸い私はキーが変わっていないので、そのまま歌えるというのは自分の声帯や体に感謝ですね。すごく健康な状態でここまでこれたのは本当にありがたいことだなって思います。
――カッコよさを保つ秘訣などはありますか?
相川:どうだろう? いい年の取り方をしたいなっていうのはあります。等身大でいてカッコいいって言われたいというか。それが叶う年齢になったと思うんですよね。今まではちょっとこう背伸びをしたり、もうちょっと若くいた方がいいのかなと、自分の中でいろんなさじ加減をやっていたのが、もうこのままの素でいいのかなっていうふうに、やっと精神的にも年齢的にも重なってきた。等身大の自分でステージにも上がれるし、等身大でいることが苦じゃなくなった。ナチュラルでいることをカッコいいって言ってもらえる自分でいるには、やっぱり充実した生活を送って、楽しんでいないとカッコよくいられないかなと思っています。

――今回の武道館は30周年プロジェクトの1つの集大成のような形になりますが、これからどんな相川七瀬を見せていきたいですか?
相川:武道館が終点ではないし、そこがスタートになって40年に向かっていく自分の扉がそこにあると思っていて。昨年ブラジルに行って世界で歌うことの可能性や楽しさに気づかされましたし、海外でも日本でもたくさんの地域を周って歌い続けていきたいです。これまでやれていない、やってないことをやってみたいっていう気持ちがすごくあります。
――最後に武道館公演を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
相川:最近自分のライブですごく驚いているのは、私のライブに初めて来たというお客さんが半分以上なんです。聴いていたけど行く機会がなくて、今回観に来てくれたと。
一方でずっと応援してきてくれた皆さんや、古いファンの方も戻ってきてくれている。その人の人生の中で私の曲が流れていて、それを懐かしく思ってまた聴きたいとライブに来てくれるのは本当にうれしいなと思っています。武道館では、昔の私ではないけど今の私だから歌える昔の歌っていうのがあるので、それを皆さんにプレゼントとして届けたいです。
織田さんとマーティのツインギターというのはこういう周年でないと観られないものですし、当時のアルバムやCDを聴いてくれていた人たちには車に乗りながら聴いたあの時のままの音楽を楽しんでもらいたい。織田さんと新曲も作っていますので、相川七瀬の過去、未来、現在、全部を楽しんでもらえるライブにしますので、ぜひ楽しんでほしいです。
(取材・文:嶋村杏佑 写真:高野広美)
『相川七瀬 30th Anniversary ROCK KINGDOM TOUR 2026 -FINAL 日本武道館-』は、11月2日東京・日本武道館にて開催。
