人間に紛れて生活する怪物(けもの)たちの戦いがはじまる/『舞台「怪物事変」‐東京編‐』ゲネプロレポート
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藍本松による漫画を原作とした『舞台「怪物事変」‐東京編‐』が、東京・シアターHにて開幕。本作では総合演出を毛利亘宏が務めており、人間に紛れて生活してきた怪物(けもの)たちのドラマや戦いを舞台ならではの表現で描いた一作だ。初日を前に実施されたゲネプロの様子をレポートする。
【写真】富本惣昭が夏羽を熱演!『舞台「怪物事変」‐東京編‐』ゲネプロの様子
◆映像や照明など、作品を彩る演出の数々
とある田舎で叔母一家とともに生活する少年・日下夏羽(富本惣昭)は、怪物専門の探偵・隠神鼓八千(和泉宗兵)と出会う。「内臓を食い荒らされた家畜の死体」の調査で東京から訪れたという隠神は、夏羽と関わる中で、彼の正体が屍鬼(クーラー)と人間の間に生まれた半妖の子であることを知り、東京へと彼を連れ出すことに。
自身も化狸(ばけだぬき)であるという隠神が東京で営んでいるのは、人間と怪物の間に立ち、相談ごとや喧嘩の仲裁など、なんでも請け負う「隠神探偵事務所」。ここでは夏羽と同じく蜘蛛(アラクネ)との半妖の子・蓼丸織(田中尚輝)と、雪男子(ユキオノコ)の少年・岩木山雪里白那之五十六子晶(大見拓土)が働きながら暮らしていた。事務所に届いた依頼をこなしながら生活することになった夏羽は、さまざまな怪物たちと出会いながら徐々に成長していく。
舞台の幕が開くと、鍬を持ちながら畑仕事をする夏羽が登場。スクリーンには大自然が広がっており、まるで私たちも田舎に来たような臨場感に包まれていく。原作を読んでいる方はご存知かもしれないが、本作では夏羽が育った村や東京、そして森の中など、場面転換がかなり多い。しかし映像をうまく使いこなすことで、限られた舞台上でも存分に情景を表現しており、目を見張るような仕上がりになっていた。
また筆者が最も心を動かされたのは、劇中でキャラクターたちを照らす“照明”だ。白、赤、ピンク……と、登場人物たちの感情やシーンに合わせて輝くライティングは、原作、アニメとメディアミックスも豊富な『怪物事変』にとって、舞台ならではの表現といっても良いのではないだろうか。
例えば、物語序盤の夏羽が半妖化してしまう場面では赤、バトルシーンでは紫の照明を使用することで、怪物の力の強さや怪しさをより一層引き立てている。さらに警視庁で多大な権力を持ちながらも、夏羽の持つ命結石を狙う狐・飯生妖子(大湖せしる)の登場時には一面がピンク色で染まったりと、キャラクター性が観客にも分かりやすく示されていた。
◆怪物たちとの交流から見えてくる夏羽の変化
【公演概要】
舞台「怪物事変」-東京編-
9月17日~27日 シアターH
■キャスト
富本惣昭 和泉宗兵 田中尚輝 大見拓土 國島直希 大湖せしる 遥りさ 弦間哲心 石飛恵里花 大滝樹 松井勇歩 山川ありそ
■原作:『怪物事変』藍本 松(集英社「ジャンプSQ.」連載中)
■スタッフ
総合演出:毛利亘宏
脚本・演出:鄭 光誠
アクション監督:栗田政明
振付:KOHMEN
音楽:はるきねる
舞台監督:横尾友広、松沢紀昭
美術:中西紀恵
音響:ヨシモトシンヤ(sacra sound)
照明:小野 健(NEXT・Lighting)
映像:橋本史織(stack pictures)
衣裳:永井省伍
ヘアメイク:古橋香奈子
特殊造形:林屋陽二、田中秀美、佐澤和樹(タフゴング)
演出助手:西谷智美
制作プロデューサー:宮崎詩子(エーディープロジェクト)
プロデューサー:總崎智章(ムービック)、矢田詩織(サンライズプロモーション)