人間に紛れて生活する怪物(けもの)たちの戦いがはじまる/『舞台「怪物事変」‐東京編‐』ゲネプロレポート
関連 :
育ってきた環境から感情が欠落していたり、ピザを食べたことがなかったりと一般常識を知らない夏羽だが、東京での日々を通じて少しずつ進歩していく。当初は隠神からの「親に会いたいか」という質問に関しても否定的な意見だったが、依頼を通じて親子の愛や絆を目にした後は「両親に会いたい」という本音を口にしたりと、彼の人間らしさが見てとれる。
また中盤での蚊婆(かのんば)との戦いでは、「事務所のみんなを守れないのはイヤだな」「織も晶も失いたくない」と、仲間を守るための強さを求めるような姿勢が垣間見えた。友だちはおらず、日々働くだけだった夏羽にとって「隠神探偵事務所」のメンバーたちの存在は十分心の支えになっていたはず。そう実感させられるようなシーンだった。
第1幕の終盤では、自分なりの強さや戦い方を見出したことによって、これまで遠ざけていた“家族”について向き合うことを決めた織。彼の出身地である群馬県へと向かう一行の姿も賑やかで可愛らしい。そして第2幕では織や晶の出生について明かされており、目の離せない展開が続いていた。
人間とはちょっと違う種族らの活躍を描いた本作。ストーリーだけでなく、キャラクターたちの変化や舞台表現に注目すると、より物語が楽しめるはずだ。(取材・文:渡辺美咲)
『舞台「怪物事変」‐東京編‐」は、9月27日まで東京・シアターHにて上演。
【公演概要】
舞台「怪物事変」-東京編-
9月17日~27日 シアターH
■キャスト
富本惣昭 和泉宗兵 田中尚輝 大見拓土 國島直希 大湖せしる 遥りさ 弦間哲心 石飛恵里花 大滝樹 松井勇歩 山川ありそ
■原作:『怪物事変』藍本 松(集英社「ジャンプSQ.」連載中)
■スタッフ
総合演出:毛利亘宏
脚本・演出:鄭 光誠
アクション監督:栗田政明
振付:KOHMEN
音楽:はるきねる
舞台監督:横尾友広、松沢紀昭
美術:中西紀恵
音響:ヨシモトシンヤ(sacra sound)
照明:小野 健(NEXT・Lighting)
映像:橋本史織(stack pictures)
衣裳:永井省伍
ヘアメイク:古橋香奈子
特殊造形:林屋陽二、田中秀美、佐澤和樹(タフゴング)
演出助手:西谷智美
制作プロデューサー:宮崎詩子(エーディープロジェクト)
プロデューサー:總崎智章(ムービック)、矢田詩織(サンライズプロモーション)