映画『ラッシュ』主演俳優インタビュー、作品を通じて“女性の持つ力”を実感
関連 :
ロン・ハワード監督は本作について「実際に過去に起きたノンフィクションの物語なので、作り手が意図したように観客を引き込めるかどうかわからない」と述べていたが、映画が始まると、そんな監督の考えは杞憂であることがすぐに実感できる。スクリーンに映し出される二人のドライバーの生き様はあまりにも人間臭く、アプローチ方法は違えど、挫折しながらも上を目指し、成長していく姿は観ている者の心を揺さぶる。そんな物語同様、二人にとっても成長できる瞬間はまだまだあるようだ。「僕にとってやりたかったけれど達成できなかったことはすごく意味のあることなんだ。自分のアプローチ方法が違ったんじゃないのか、何かほかにできることがあったんじゃないかって考えることができる。そうやって成長していけるんだ」とクリス。
ダニエルは「僕は人への感謝の気持ちが、自分を高めていくことにつながるんじゃないかって思うんだ。昔は親に対しても、もっと良い育て方があったんじゃないかって不満に思うこともあったけど、35歳になった今振り返ると、すごく親は僕に良くしてくれたなって実感できる。自分も親から受けた愛情を子どもに注ぎたいと思っているんだけどね。でもまだ僕には子どもがいないので、その点ではクリスには負けているね(笑)」。
F1レーサーの物語ということで男性ファンの注目が集まりそうだが、予想に反して女性からの反響が多かったとクリスは言う。「ハントとラウダはお互いに影響し合うことによって高めあっていった部分はあるんだけれど、それ以外に彼らに影響を与えてたのが、側にいた女性の存在なんだ。その女性たちが彼らに色々なインスピレーションを与えたり、導いたりしたことによってこの物語が生まれたという側面もあるんだ。その意味では女性の方にもぜひ観てほしい映画だよ」。(取材・文・写真:才谷りょう)
映画『ラッシュ/プライドと友情』は2月7日より全国公開。