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ベテラン声優・玄田哲章、「僕の中にはなかった世界観」レゴムービーに大興奮

映画

 玄田が演じたのはバッドコップ。本編の悪役であるおしごと大王の部下で、主人公のエメットを追い詰めるいわば悪の手先だ。一方で、気弱で善の心を持ったグッドコップとしての面も持っており、劇中ではバッドとグッドの顔がくるくると入れ替わりながら葛藤を繰り返す。

 「オーディションのときは(性格や声色が入れ替わることを)よくわかっていなくて、本編に入って録り始めてから知ったんですよ。だからそんなに苦労するとは思っていなくて(笑)。実際にはバッドはバッド、グッドはグッドで別に収録したから、切り替えながら録ったわけじゃないんですけどね」。

 善は善、悪は悪という明確な立ち位置のキャラクターが多い本作だが、バッドコップだけは一人の中に二つの人格を持っている。玄田はそんなバッドコップについて「誰にでも天使と悪魔の顔はある」という言葉で表現する。

 「バッドコップの上には権力者がいて、彼の命令には逆らえない。それは周りから見ると残酷な任務かもしれないけど、バッドコップ自身も職務に忠実に、一生懸命やっているんですよね。でも、それがダメだというグッドコップの声もあって、そこで心が揺れている。それって人間でもそうですよね。はっきりしていないし、板挟みになって悩む。バッドコップを見ていると、現実を見ているキャラクターだなと思いますね」。

 『LEGO(R) ムービー』というと子ども向けにも思えるが、本作は実際には大人にも刺さる部分が多い考えさせられる作品だ。二面性を持ったバッドコップはその意味で、もっとも現代人の悲哀を象徴しているといえるかもしれない。バッドコップのようにいくつもの顔を使い分けながら生きていく――そんな現代人に向けて、玄田は次のようにアドバイスする。

 「人生には、いろんなことがあると思う。けれど、そこでいろんな人と出会っていろんなものを吸収して、何とかみんな生きている。たとえば相談できる相手がいたり、逆に相談を受けたらアドバイスしてあげたり、人と人をつなぐ心の部分が大切だと思いますね」。

 つまらない映画はすぐに寝てしまうという玄田だが、本作は「最初から最後まで楽しく鑑賞した」と満足げだ。「新感覚ですよね。こんな作品が世の中にあるんだって嬉しくなりました。ぜひ劇場に足を運んでもらって、楽しんでほしいですね」。

 子どもだけでなく、子どもと大人が一緒に楽しめる世代を超えた『LEGO(R)ムービー』。ぜひ映画館で、そしてできれば3Dの吹き替え版で、声優陣のボイスを堪能してほしい。(取材・文・写真:山田井ユウキ)

 『LEGO(R)ムービー』は3月21日より全国ロードショー 3D/2D同時公開。

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