『思い出のマーニー』で大注目の杉咲花「見ている人のイメージを裏切りたい」
映画
しかし、ドラマ『黒の女教師』で同年代の役者たちと共演し、考え方が徐々に変わっていった。「みんなすごく個性的で、スタッフさんとも平気で話をしていて……。色々な意味で刺激を受けました。恥ずかしがっている場合じゃないぞって（笑）。大先輩の方でも、同じ作品を作る仲間だし、芝居をする時は、ちゃんと向き合わないとダメなんだって思いました」。
壁を越えた杉咲の演技に多くの人々は魅了され、高い評価を下す。「実感はないです。現場で監督に色々言われることも多いですし。そういう評価をしていただくことは嬉しいですが、まだ不安の方が大きいです」。一方で「自分が出演した作品は大好きです。本当に素敵な現場を経験させていただいています。みんなに『私が出ている作品はすごくいい作品！』って宣伝したい」と前向きだ。
「見ている人のイメージを裏切るような女優になりたい」と高いプロ意識をのぞかせる杉咲だが、「親友と会って話をしている時間が楽しい」と16歳のあどけない一面も持つ。「休みの時は、写真を撮ったりギターを弾いたりします。写真はいつか個展とかできたらとは思いますが、今はただの趣味（笑）」。ギターを弾くと言うことで「歌は？」と問いかけると「いえいえ……。ないです。歌はダメです。恥ずかしくて人前で歌うなんてありえない」と目をぱちくりさせて完全否定も「そういう役だったら……頑張ります」とぼそり。恥ずかしがりやの杉咲を変貌させるのは女優スイッチなのかもしれない。（取材・文・写真：才谷りょう）
2ページ（全2ページ中）
