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稲川淳二「異次元、非日常でした」と振り返る 『稲川怪談 かたりべ』は役作りナシ

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『劇場版 稲川怪談 かたりべ』稲川淳二インタビュー
『劇場版 稲川怪談 かたりべ』稲川淳二インタビュー クランクイン!

 稀代の怪談語り部である稲川淳二の初主演映画、その名もずばり『劇場版 稲川怪談 かたりべ』が、秋の夜長にそろりとやって来る。ただ怖いだけではない、“心の故郷”というべき世界を内に秘めた怪談の奥深い魅力、そして稲川怪談が大スクリーンで再現されたというべき本作の裏側を、稲川があの独特な口調で、そしてやっぱり少し早口で語った。

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 「全く不思議なんですけど、元はと言うとパチンコが出るのでそのための映像を撮りに行ったんです。それでメイクなんかも凝ってて面白いなと思っていたら、その後で映像を撮ってる会社の人から『稲川さん、あれ映画になると思うんです』って言われて、大畑(創)監督もその映像を『これは面白い』って言っていたらしくて」。

 まさに“瓢箪から駒”というべきか、本作は思いがけない出発点から映画化の話が生まれた。最初は本気にせず、さほど乗り気でもなかったという稲川だが、さっそく訪ねてきた大畑監督の熱意、そして監督が「うちのせがれに似てるんですよ。年恰好といい雰囲気も。だから、なんだかこの人邪険にできないなと思って」と、映画化が動き出す。人のよさを隠せない稲川らしい逸話だが、同時にこうした思いがけないところから進んでいくのも怪談っぽい話である。

 だが、短期間で行われた撮影はたびたび段取りや脚本の変更があり、稲川にとっては過酷なものとなった。何かに憑かれたように自身の青白い顔が大写しとなった資料の写真を前に、稲川は振り返る。

 「撮影の間、私は1日1食しか食べてないんです。元からあまり食べる方ではないんですけど、手術の後で食べると体調を崩しちゃうから食べれなくて、撮影も恐怖ものだから夜中に撮るじゃないですか。それで明け方に帰ってくると、もう大抵コンビニで残っている焼きそばか冷やし中華しかなくて。だから過酷ですよ(苦笑)。もうメイクじゃなく、自前でデキモノを作ってやってました。役作りじゃなく顔色も本当に悪いんです(苦笑)」。

 話の中にこうしてユーモアを交えてくるのも稲川流。しかし作品について話が移ると、稲川は怪談を話す時のように目をカッと見開き、語気を強める。

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