『泣く男』イ・ジョンボム監督、チャン・ドンゴン&仲村トオルとの意外な秘話を告白
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本作の出演が決まったドンゴンは、アメリカで特殊部隊の隊員から長時間の厳しい訓練を受け、撮影に臨む。劇中では見事な成果を披露しているが、イ・ジョンボム監督は決してアクションに偏ることなく、しっかりしたストーリー展開とバランスを重視した演出を貫いた。音楽に目を向けても、冒頭では80年代に日本でも大ヒットしたシャーデーのナンバー「スムース・オペレーター」が。
「以前から『スムース・オペレーター』は大好きでしたが、今回のオープニングのシーンでは曲が流れている間に殺し屋がアクションを起こすようにしようと考えていたので、絶対に『スムース・オペレーター』を使おうと決めていました」。スクリーンの至るところから、監督の力量とセンスの良さが伝わってくる。
そんなイ・ジョンボム監督に影響を与えた映画人の名前を聞くと、「ジョン・ウー監督、黒沢清監督、三池崇史監督、北野武監督、深作欣二監督、山田洋次監督、マイケル・マン監督、ジョン・マクティアナン監督、リチャード・ドナー監督……多過ぎるぐらいたくさんいますが、スタイル面で一番大きな影響を受けたのは、黒澤明監督とジョニー・トー監督ですね」。更に、特に忘れられないという意外な日本人俳優の名前が。「チャン・ドンゴンさんと仲村トオルさんが共演した『ロスト・メモリーズ』(02)の撮影の時に1週間だけ音声の仕事をやったことがあり、おふたりが会話をするシーンでは必死にブームマイクを握っていました。実は仲村トオルさんが出演していた『ビー・バップ・ハイスクール』が大好きで、扇子に書いてもらった仲村トオルさんのサインは、今でも大切にとってあります(笑)」。12年前の音声スタッフが監督となって手掛けた『泣く男』、日本でもヒット間違いなしの秀作だ。(取材・文・写真:平井景)
チャン・ドンゴン主演×イ・ジョンボム監督『泣く男』は、10月18日より新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国公開。