『深夜食堂』フードコーディネーター飯島奈美、目標の人物はまさかの“上島竜平”

豚汁、赤いウインナー、豚の生姜焼き…『深夜食堂』に登場する料理は、1度は食したことがあるような家庭料理ながら、とにかく美味しそう。湯気が立ち上ぼる料理と、それを幸せそうに食べる俳優に、毎回生唾ごくりの連続。そんな食べたくてたまらなくなる品々を手がけるのが、人気フードスタイリスト飯島奈美。現場での裏話のほか、食や仕事に対する思いを伺った。
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2009年のシリーズ1作目の際に飯島を呼んだのは、監督の松岡錠司。「監督とは、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』で声をかけて頂き、『深夜食堂』にも参加することになったんですが、実は食品会社のCMでご一緒していたので、もっと付き合いは長いんですよ」。そのため、現場ではあうんの呼吸。監督との打ち合わせはそこそこに、任せてもらうことがほとんどだそうだ。
「任せてもらっている以上、美味しそうに見える料理ではなく、美味しい料理を出したいんです。とはいえ、深夜枠のドラマゆえ、予算が少なかった。調味料とかを含め、厳しかったですね。基本は制作費内におさめつつも、あまりに厳しいときは、自分の財布からお金を出して食材等を購入することもありました」と現場を振り返る飯島。
映像業界では“キエモノ”と呼ばれる、劇中の料理の数々。油を塗ってツヤを出したり、時間が経って硬くなっていてもそのまま使ったり等、“美味しい”から程遠い料理が多いなか、なぜ自腹を切ってまで作るのだろうか。
「どうせなら、美味しいものを食べてもらいたいんです。それに、スタッフの方々が、撮影が終わったら食べたいと言ってくださる。そうなると、美味しそうに見えるからと、油は塗れません(笑)。だから、油を塗るのではなく、普通の調理でかける段階の煮汁でツヤを出だしたりと、ちょっとした工夫を施しています」。