ヒュー・ジャックマンにインタビュー、俳優・父親として追い求めるのは“バランス”

『X‐MEN』シリーズのヒーロー・ウルヴァリン、『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン…オーストラリア出身のヒュー・ジャックマンは、もはやハリウッド映画には欠かせない大きな存在となり、その人気を不動のものとしている。最新作『PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~』では、非道な極悪人・黒ひげを演じた。「悪役はとても楽しかった」と笑顔で振り返るヒューに、さらなる胸の内を聞いた。
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撮影中から自身のインスタグラムで坊主姿を公開したり、今回の黒ひげ役にノリノリの様子だったヒュー。黒ひげは冷酷無比の海賊で、自分の帝国を築くことに執着する悪いやつだが、どこか憎めないような可愛さも湛えている演じ方をしていたようにも感じた。「黒ひげのような悪役は、メランコリックで悲しい面も持っていたりするから、最終的には予知できない大人を創り上げることを試みたんだ。例えば『チョコレートをあげようか?』と言った次には、頭を切り落としたりして」と自身が演じた黒ひげが大層気に入った様子で「演じているほうは、とても楽しいんだよ」と、満面の笑みを向けてくれた。
特に注目したい場面は、黒ひげが「ようこそ、ネバーランドへ」と傲慢ちきに姿を現す登場シーン。かの有名なニルヴァーナの『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』を海賊たちが声を限りに歌い、当然ヒューもロックテイストでその美声を響かせる。インパクト大のこの場面だが、もともと台本にはなかったことを明かしてくれた。
「曲は脚本には全然書いていなかったんだよ。撮影前に1週間、海賊だけで合宿に行ったんだけど、そこで毎朝必ず歌ったんだ。なぜって?それが海賊だからね(笑)。そうしたら、3日目にジョー(監督)がニルヴァーナの曲を持ってきたんだ。みんな盛り上がってジャンプし始めて、インスピレーションが湧いて『これを登場シーンに使う』とジョーが騒いだよ。でも、子どもたちは何を歌ってるのか、意味が全然わかってないんだろうけど(笑)」。