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海外進出を果たした紀里谷和明監督、そっぽを向かれた「日本映画」への片思いを激白

映画

 紀里谷監督が挑んだ表現は、海外で評価を受ける。「同じ手法の『300 <スリーハンドレッド>』がアメリカで大ヒットしましたよね。すごくもったいないって思いました。でも『CASSHERN』があったからアメリカに呼んでもらえたんです。日本でもこうした状況が起きたらよかったのにと一抹の悲しさはありましたね」。

 『ラスト・ナイツ』では「忠臣蔵」のスピリットを世界に向けて表現している。「自分たち(日本)が持っている強みを、どう変換したら海外の人に受け入れてもらえるか」と本作に込めた挑戦を語る。それは「日本映画界の未来」へとつながる。「日本って素晴らしいコンテンツがたくさんあるのに、その権利を売って、海外で作ってもらうなんてもったいない。自分たちの手で世界に発信していけることを模索したい、若い人たちの希望のためにもね」。

 日本映画に対して熱い思いを抱いている紀里谷監督だが「世界30ヵ国で配給が決まっているのですが、日本での公開はかなり苦戦しました。片思いですね」と苦しい胸の内を明かす。インタビュー中、彼の口からは何度となく「日本映画界の未来」という言葉が出てきた。悪意をもって捉えてしまえば「何をお前が」ということになるかもしれない。しかし、自身も“僭越ながら”と前置きしているように、決して上から目線で言っているのではなく、ただ単純に日本映画を愛しているのだと感じた。その想いに不純なものは感じられない。逆境のなか「チャレンジ」し続ける彼の思いが詰まった渾身作にぜひ注目してほしい。(取材・文・写真:磯部正和)

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