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海外進出を果たした紀里谷和明監督、そっぽを向かれた「日本映画」への片思いを激白

映画

『ラスト・ナイツ』紀里谷和明監督インタビュー
『ラスト・ナイツ』紀里谷和明監督インタビュー クランクイン!

 『CASSHERN』や『GOEMON』など意欲作を世に送り出してきた紀里谷和明監督が、モーガン・フリーマン、クライヴ・オーウェンなど世界的名優たちを迎えてハリウッド映画『ラスト・ナイツ』のメガホンをとった。「日本の映画界にそっぽを向かれてしまった」と語る紀里谷監督だが、話を聞いていくうちに、彼の心の中にある純粋な想いが垣間見えてきた。

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 過去2作品『CASSHERN』と『GOEMON』は、興行収入的にもヒットと呼べる数字を記録した。その独特の世界観や表現方法は注目を集め、次なる作品への期待は高かった。しかし『GOEMON』以降、表だってメディアで紀里谷監督の動向は取り上げられることはなかった。そして2015年、ハリウッドから『ラスト・ナイツ』が届いた。

 「日本で作品を作りたくないということではないんです。オファーがないだけです」と紀里谷監督は開口一番つぶやく。「『紀里谷はお金がかかる』とか『予算を飛び出すし、面倒くさくて大変だ』なんて噂されたりね」と苦笑いを浮かべると「実際は、予算をはみ出したこともないし、CMやPVを含め、納期に遅れたこともないんです」と語る。そんな状況はありつつも、日本で映画を作れない最大の理由は「取り巻く環境」だと言う。

 「映画会社もビジネスとして成立させなくてはならないのは当然です。少ない予算の中、制作側は必死にやっています。しかしハリウッドなどは巨大資本で、ものすごく精度の高いCGを駆使した作品を作り、ファンはそれを見ています。その土俵で勝負しようと思えば、ある程度の予算が必要になります。でも、日本の市場だけでは回収は厳しい。マーケットを世界に広げないと企画自体が成立しないんです」。紀里谷監督の海外進出の真意はそこにある。

 厳しい状況下『CASSHERN』では、表現方法やアイデアなど日本映画界に爪痕を残した。「ベストな表現だと思っているわけではないんです。未熟な部分もたくさんあったし、到達したいレベルにたどりつけていない。でも(予算など)置かれている立場で『こういうやり方もあるのでは』という可能性を示したかった。次に続く人が『CASSHERN』を踏み台にしてくれればという気持ちが強かった」。

 しかし待ち受けていたのは批判の嵐。「ものすごい勢いで酷評されました(笑)」。そのことによって「紀里谷みたいなやり方をすると批判されるんだ」という風潮が業界に流れた。「批判はいいんです。個人的感情はまったくないんです。ただ、若い人が批判を恐れて続かなくなってしまった」。

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