逃げ場のない長い、長い、沈黙―『災 劇場版』香川照之考案の奇妙な“間”に緊張感が走る本編映像解禁
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香川照之が主演する映画『災 劇場版』より、香川自らが考案した奇妙な“間”に緊張感が走る本編映像が解禁された。
【動画】香川照之考案の“間”が緊張感をもたらす映画『災 劇場版』本編映像
本作は、WOWOWの『連続ドラマW 災』を再構築し、全く新しい「恐怖」を描くサイコ・サスペンス。
監督集団「5月」の関友太郎と平瀬謙太朗が監督、脚本、編集を務める。長編デビュー作『宮松と山下』に続き、本年度のサン・セバスティアン国際映画祭で2作連続かつコンペティション部門での正式招待という快挙を成し遂げた。前作からの再タッグとなる香川照之が主演を務め、中村アンをはじめとする主役級のキャストが脇を固める。
今回解禁される本編映像は、神奈川県警捜査一課の警部・飯田(竹原ピストル)が、県警本部の洗濯場で用務員の大門宏樹(香川照之)と会話するシーン。洗濯場を去ろうとした飯田が立ち止まり、振り返って「なんでここで働こうと思ったんですか?」と大門に問う。朗らかに飯田が話を続けようとすると、その流れを遮るかのように大門が「それは、いくつも応募して―」とふいに声を発する。
驚くのはこの後だ。大門が次の言葉を発するまでになんと20秒もの“間”があく。時が止まったかのような空間に、洗濯機が回る「チャプ、チャプ」という水音だけが響き渡る…。観る者が手のひらにじっとりとした汗をかきそうな緊張感が最高潮に達したところで、「―採用していただけたのが、ここだったからです」と大門が静かに一文を言い終える。刑事と香川演じる得体のしれない男が対面する緊迫感のあるシーンだ。
本作では撮影現場での監督たちの話合いにすべて立ち会っていたという香川。この独特の“間”は香川自らが考案したアイディアだといい、「起承転結の転の部分で、“ある男”のスイッチが入る瞬間がある。それを間で表現することになりました」と話す。
さらには「映像の大事なところは、時間の編集ができるということで、映像素材は延ばせないけど、縮めることはできる。(間をいれることで)映像が立体的になることもわかっていますから、現場はピリピリ面白くなる。実際、会話に間を入れた結果、すごく面白くなりました」と語り、映像作品だからこそできる表現を知り尽くし、熟練した経験から“男”の奇妙な特徴を作り出した。これにより沈黙の中、恐怖がゆっくりと膨れ上がっていく名シーンが誕生。
このシーン以外にもあらゆる場面で奇妙な“間”は生じており、歪な“間”が物語に緊張感をもたらしている。
映画『災 劇場版』は、2月20日より全国公開。

