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渡辺謙、宮崎あおいと「生き方を共有したかった」リアルな父娘関係を生んだ距離感とは

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 こうした関係性のため、宮崎には現場で普段とは違う距離感で接することをお願いしたという。「彼女はどちらかというとバッテリーだけつけて待機しているタイプ。でも今回は父と娘の距離感を発酵させたいと思っていたので、何もしなくてもいいから僕の近くにいてもらって、アイドリングしてもらっていました。その時間の共有が大事だと思ったんです。結構プライベートな話をしたし、今まで生きてきた自分の考えも話した。生き方を共有したかったんです」。

 そんな中で出来上がった洋平と愛子の父娘関係は妙にリアルだ。「だいたい父娘って誤解しているよね」と渡辺は語ると「そこまで腹を割って話したりさらけ出したりする父娘って少ないじゃないですか。『うちの娘はこうだ』『父親はこういう人だ』って理解しているつもりでも、意外と誤解している部分って多いですよね。そういう部分もリアルだと思う」。

 さらに「男親と娘って結局、違う生き物なんです。子供として守らなければいけないという気持ちがある一方で、やっと託せる男が出来たと、重い荷を下ろせるという思いもどこかにある。特にこの作品の愛子は少し特殊な部分があるので、父親としてもずっと不安で生きて来た。そんな思いから解放されるという安堵感はどこかにある。でもそういう感情を持ってしまうっていうのもとても人間的だよね」と続ける。

 観終わったあと、何とも言えない重い感情が胸に去来する本作。「観た人それぞれに色々な思いが渦巻く作品。心に抱えている憤りやくすぶっているものが、どういう方向に向かうのか、もう一度火が付くのか……。そんなところを感じとってもらいたいですね」と作品に内在するメッセージを語ってくれた。(取材・文・写真:磯部正和)

 『怒り』は9月17日公開。

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