宮藤官九郎、長編映画4作目『TYTD』への思いを語る 「僕の名刺みたいな作品」
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さらに、俳優・長瀬の新たな可能性を感じたという宮藤監督は、「キラーK(死後の姿)はもちろん最高でしたが、地味で真面目な現世時代の近藤さん役も凄く新鮮でした。キラーKがどんな風になるか、お互いに探りつつ、先に現世を撮影したので、近藤さんのシーンをあとで繋いで観たときに、『ああ、このキャラがあってキラーKが生きたな』って納得しましたね」とベタ褒めだ。
長年の盟友・長瀬に、神木という人気、実力を兼ね備えた若手俳優のパワーが加わり、日本のエンターテインメント・ムービーに新たな爪痕を残した本作。いま振り返ってみて、宮藤監督にとってこの作品は、どんな存在となっているのだろうか。「映画という表現方法の中で、自分は何がやりたいのか、何が得意なのか、と考えたときに、自分らしい作品は、やっぱり“突き抜けたコメディー”だと思うし、ご覧になる方々もそれを期待されているのかな?という思いがありました。今、改めて振り返ってみると、僕の“名刺みたいな作品”になりましたね」と自信のコメント。さらに、「僕の映画で、『まず何を観ればいいですか?』って聞かれたときに、『これです!』と言える作品が、4作目にしてようやく完成しました」と力強くアピールした。
ちなみに続編の可能性は?例えば、次は天国編とか。「いやいや、実は天国の撮影が一番きつかったんですよ!ベッドが2つしか用意できなくて、それをいっぱいあるように見せる工夫がとにかく大変で。だから、天国編は絶対ないです、やれないです!」。全ての力を出し切った宮藤映画の真骨頂、まさに必携の作品だ。(取材・文・写真:坂田正樹)
映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』のブルーレイ&DVDは12月14日より発売開始(レンタルは12月7日より開始)。