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『攻殻機動隊』バトー役俳優、役作りの苦悩「クオリティの10%を再現できれば…」

映画

 「少佐のためなら、バトーは死ねると思う」とも考えを明かすピルーだが、二人の関係性は結ばれないからこそ魅力的だと考えているようだ。「全ての素晴らしいラブストーリーがそうであるように、成就しないとどこかで分かっているからこそ、彼は少佐の守護者、あるいは長兄になることを決めるんだよ」。

 ちなみに、漫画版でお気に入りのシーンは、バトーの少年らしさが垣間見えた一場面だという。「少佐が女性と電子機器を使ってセックスをするシーンがある。そこに偶然居合わせてしまったバトーが恥ずかしがる姿を見た時に、すごく良いな、人間らしいなと思ったんだ」。

 そんなピルーは、娘とともにスタジオジブリの大ファン。デンマークにおけるハロウィンで、『もののけ姫』のヒロインであるサンのコスプレに身を包んだ娘の写真を嬉しそうに見せながら「僕は宮崎駿さんが大好きなんだ!」と語る彼は、他国の幼い少女がそれほどまでに魅了される名作に敬意を払うことを惜しまない。「1997年に作られた作品であるにもかかわらず、他国の4歳の女の子にこれほど愛されているのは、ストーリーと日本文化の力のおかげだと思うよ」。

 劇中で見せたクールな表情とは似ても似つかない、子供のように無邪気な笑顔を浮かべながら、楽しそうに映画やアニメについて語るその姿からは、文化芸術への深い愛がひしひしと伝わってくる。そういった愛が根底にあるからこそ、彼が本作で演じたバトーは、原作ファンのみならず、見る者の胸を打つキャラクターとして成立しているのだろう。(取材・文・写真:岸豊)

 『ゴースト・イン・ザ・シェル』は4月7日より全国公開。

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