佐藤隆太&把瑠都、互いの魅力は“人間力” センシティブな役と向き合う人生観とは

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ドラマ化決定を知らせるNHKのニュースページのアクセスが、朝ドラヒロイン発表時並みの高アクセスを記録した異例のドラマがある。それがNHK BSプレミアムで3月4日からスタートする、ゲイや同性婚を題材にしたドラマ『弟の夫』だ。
【写真】NHK BSプレミアム『弟の夫』フォトギャラリー
小学生の娘を育てるシングルファーザーの折口弥一と、その双子の弟・涼二の夫で同性愛者のカナダ人男性マイク。涼二が死んだことから日本にやって来たマイクに戸惑いを持って接する弥一は、マイクを通して絶縁状態だった弟の想いを知り、少しずつ変化していく。
原作は田亀源五郎による、2015年文化庁メディア芸術祭でマンガ部門優秀賞受賞のゲイや同性婚をテーマにした同名漫画。弥一を佐藤隆太、マイクを連続ドラマ初出演の元大関・把瑠都が演じる。
把瑠都は「ゲイ役と聞いて私には無理だろうと思いすごく迷いました。ですが、漫画を読ませていただき作品の内容はもちろんのこと、驚いたのがマイクの容姿が私そっくりで(笑)、私以外にいないんじゃないかと思いました」とオファー当時の心境を振り返る。
その心境も理解できる。初の連続ドラマで準主役という重要なポジション。日本語セリフの掛け合いも多く、加えて同性愛者という設定もセンシティブだ。「米国や日本に比べると、ヨーロッパはLGBTに対して保守的。故郷エストニアも同じで、地元の新聞にこのドラマに出演するニュースが載ったときは『把瑠都ってソッチ系なの? 結婚しているのに?』とドラマの設定にも関わらず、厳しい意見があったほど。それくらい進んでいないんです」と自国の批判的な状況を説明する。
にも関わらずあえて難しい役どころへと踏み込ませたのは、把瑠都ならではの人生観があるからだ。「相撲を引退したことで、一から人生を変えようと思った。日本に来て今年で14年になりますが、これまでの経験はすべてが楽しかったし、やると決めて一生懸命やれば、結果は必ずついてくるものです。人間やろうと思えば何でもできるし、一生懸命にやればそれでいい。今回の経験も人生の糧になるはず。私はそう信じています」。