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東出昌大、自分は“役者バカ” 「苦しみながらも、また現場へ」

映画

『OVER DRIVE』東出昌大インタビュー
『OVER DRIVE』東出昌大インタビュー クランクイン!

 『海猿』シリーズや『劇場版 MOZU』など骨太な作品を世に送り出している羽住英一郎監督の最新作映画『OVER DRIVE』。公道自動車競技「ラリー」をテーマに、レースに懸ける熱い思いがぶつかり合うさまを描いた本作で、抜群の腕を持つメカニック・檜山篤洋を演じたのが東出昌大だ。数々の作品に出演している東出をして「こんなにスタッフ、キャストみんながバカになれる素敵な現場はない」と最大級の賛辞を贈った羽住組とはどんなものだったのだろうか。

【写真】東出昌大インタビュー写真

 東出演じる篤洋は、世界最高峰のラリー競技・WRC(世界ラリー選手権)の登竜門として若き才能たちが、しのぎを削る国内トップカテゴリーSCRSに属する「スピカレーシングファクトリー」の敏腕メカニック。実弟の天才ドライバー直純(新田真剣佑)とは、過去の出来事から衝突を繰り返しながらも、互いの勝利のために妥協しないという間柄だ。

 劇中のあらゆるところからほとばしるような熱量が伝わってくる作品だが、東出は「羽住監督は、どんな仕事でもバカみたいにのめり込む人が好きという方なのですが、僕らも本読みの前から、分厚い資料をいただいて、過去にアフリカで走っていたラリーカーを一台買ってきて、取り外して組み立てるという特訓をしました」と“ラリーバカ”になるべくしっかりとした準備を重ねたという。

 こうした体験は、確実に東出の車に対する考え方を変えたという。「訓練をする前は、車の整備といってもピンと来ない部分が多かったのですが、メカニックがネジを一個締め忘れただけで、ドライバーの命に関わるという意味では、本当にプロフェッショナルな仕事だなという実感が強くなりました」。

 さらに北九州での長期ロケにより、キャストとスタッフのチームとしての一体感は増していった。まさに羽住組の掲げる“バカになれる”環境ができあがっていったのだ。「羽住組の“これは祭りだ”“バカになって楽しむんだ”という気概が現場には満ち溢れていて、本当に毎日が充実していました。撮影が終わってから食事に行くことも多かったのですが、食事中に羽住監督が、撮影シーンを振り返って『あのシーンが最高だったよ』って涙ぐまれるんです。俳優部の演技に感動してくださる姿を見ると、なんとも言えない気持ちになりますよね」。

 また兄弟役としてタッグを組んだ新田の存在も非常に大きかったという。「僕が整髪料を落とすために、四つん這いになって髪の毛を洗っていたら、背中にいきなり誰かが乗って来たんです。ビックリして振り返ったら、マッケンが『アニキーよろしく』って言った後、向き合ってハグですからね」と衝撃的な初対面だったことを笑顔で振り返ると「『はじめまして』のタイミングで後輩に背中に乗られることなんて、なかなかないですよね。僕も近しい関係の役柄の人とはなるべくコミュニケーションを取ろうとは思っているのですが、マッケンの距離の詰め方は驚きでした。でも人見知りの僕としてはすごく助かったんです」と、その存在の大きさを賞賛する。

 羽住組で純粋な“バカ”になれたという東出は、自身を「役者バカ」だと表現する。その言葉の真意を問うと「お芝居がうまくいかなかったとき、自分の至らなさに気づいたとき、やっぱり苦しい。先輩に聞くと『役者はずっと苦しいものだ』と言われるのですが、苦しいことってやっぱり正直嫌だなとは思うんです。でも仕事をいただけるのはありがたいし、苦しいことは頑張らない理由にはならない。結局、苦しみながらも一人家で頭を抱えて、また現場に行くんです」と苦笑いを浮かべる。

 続けて「『そんなに苦しいなら辞めればいいじゃん』って言われたりもするのですが、苦しさのなかに、たまに光明が差し込んできたりすることが楽しかったりもするので『辞める、辞めないって話じゃないんだよ!』と不機嫌になったり。そんなことを繰り返している自分を客観的に見ると“役者バカなのかな”と思ったりするんですよね」としみじみと語っている東出の姿を見ると、俳優という仕事は奥が深いものなのだなと実感させられた。(取材・文・撮影:磯部正和)

 映画『OVER DRIVE』は6月1日より全国公開。

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