岡田准一&小松菜奈、中島哲也監督に感じる作品への強い愛情
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一方の岡田は、「とてもお芝居に力がある。映像映えする強い女優さんだなと感じました」と小松の素材の良さを強調。さらに現場の居かたを「キレイ」と評すと、正面から役柄に向き合う姿勢に「すごく好感度が高い女優さん。ずっとこのままでいてほしいですし、本当にいい男性と出会ってほしいですね」と兄目線(?)で賛辞を送っていた。
岡田、小松ともに本作では、近年の作品で見せるイメージとは違うエキセントリックな役柄に挑んでいる。特に小松は1ヵ月前から地毛をピンク色に染め、両腕にタトゥーという衝撃的なビジュアルを披露している。現場で中島監督から「お前は青春映画のやり過ぎなんだよ!」と言われたという小松は「青春映画は今しかできないので、お話をいただけることはすごく光栄なんです」と前向きに取り組んでいることを明かす一方、本来は、シリアスで精神的に追い詰められるような役柄に強く惹(ひ)かれると述べていた。
『来る』に出演する小松菜奈 (C)2019「来る」製作委員会
岡田は、自身の20代は草食男子という言葉が流行り、若手男性の役柄が偏っていたことに危機感を持っていたと振り返ると、20代後半は男らしさを突き詰めていこうと決めていたという。その成果が、武骨な侍や軍人という配役にあらわれたが「なりたい自分にはなれているのですが、それこそ偏りすぎてしまったかな」と苦笑いを浮かべると、本作のような役柄には、非常に新鮮味と面白味を感じたという。
岡田、小松のほかにも、妻夫木聡、黒木華、松たか子といった実力派俳優たちが、中島監督の才能のもとに集まった本作。岡田が「毒や闇」と表現した中島ワールドは、これまでの作品同様、極上のエンターテインメントへと昇華されている。(取材・文:磯部正和 写真・松林満美)
映画『来る』は12月7日より全国公開。