芦田愛菜、“芦田愛菜”ではなく、役として感じさせたい
昨年の『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』に朝ドラの語り、そして本作と、まさに“声”だけで伝えなくてはいけない仕事が続いた。
「今回もそうですが、アニメのお仕事は、声で全ての気持ちを表現しなければならない。この子はどんな声でどんな気持ちでしゃべっているんだろう? どんな子なんだろう? と想像しながらキャラクターを作り上げていくのは、難しくもあり楽しいところでもあります。『まんぷく』のような語りは、俳優の皆さんのお芝居があるので、その雰囲気を壊さず、でも第三者として見守れるような存在でいられるようにと心がけていました」。
今回、予備知識なしで観る多くの観客は、琉花の声を芦田が演じているとは気づかないのではないだろうか? それくらい、芦田愛菜の存在を感じさせずに琉花という役を体現しているが、それは芦田自身、声の仕事のみならず実写での演技でも目指すところだという。
「見ている人に“演じている”ってことを忘れさせるくらい、役にハマれる役者になりたいです。違和感なく(役柄として)アドリブが出るような…芦田愛菜ではなく、役としてそこにいると感じさせられる役者でいたいと思います」。(取材・文:黒豆直樹 写真:松林満美)
映画『海獣の子供』は6月7日より全国公開。