唐田えりか、“エゴサーチ”を復活 SNSの怖さを役作りに
こうした芝居の変化によって、これまで「苦しいことが多かった」という撮影の現場も「まだまだ自分に納得いかないことが多く(女優業は)向いていないなと思うこともありますが、すてきな出会いも多いですし、貴重な時間を過ごせているんだなと思えるようになりました。今はとても前向きに臨めています」と笑顔を見せる。
さらに唐田は「せっかくこういう仕事をしているのだから、誰か一人でもいいので心に刺さるような作品を作りたい」と強い視線で語る。そのためには、自分自身もしっかり役柄に向き合い、もがくことが大切だと実感した。こうしたアプローチ方法は本作でも活かされている。
「第4話はとても濃厚な台本だったので、すごく苦しかった。最近はエゴサーチしなくなったのですが、SNSの怖さを再認識するために、またやってみたんです。やっぱり知らない人が自分のことについていろいろ書いているという現実には怖さがありました。撮影中はとても疲れました(笑)」。
「まだ女優としての覚悟が定まってはいない」と苦笑いを浮かべた唐田。しかし一方で「先のことは何も分からないけれど、きっとどこかに行ける」という自信もあるという。そんな彼女が「同世代の人はもちろん『SNSって何?』という世代の人にも観てほしい」と語った本作。唐田と一緒に仕事をした演出家や監督が、女優としての素質を絶賛する彼女の演技に注目したい。(取材・文:磯部正和 写真:高橋ゆり)
土曜ドラマ『デジタル・タトゥー』はNHK総合にて毎週土曜21時より放送中。全5回。