唐田えりか、“エゴサーチ”を復活 SNSの怖さを役作りに

ファッション誌「MORE」の専属モデルを務める一方、高い演技力が評価されている若手女優・唐田えりか。そんな彼女が、現在放送中の土曜ドラマ『デジタル・タトゥー』(NHK総合)で、インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷に悩まされる女子大生・岩井早紀を好演している。自身もSNSを活用しているという唐田が、作品に込めた思いや芝居に取り組む際の姿勢について語った。
【写真】ナチュラルな21歳の美女 唐田えりかフォト集(11枚)
本作は、インターネット上での誹謗中傷や個人情報の拡散に苦しむ人たちが受けた傷=デジタル・タトゥーをテーマにしたサスペンス。インターネットにまったく疎いアナログを地でいく元東京地検特捜部検事で現在は弁護士の岩井賢太郎(高橋克実)と、人気ユーチューバーであるタイガ(瀬戸康史)が手を組み、デジタル・タトゥーに苦しむ人たちを救い出していく姿を描く。
唐田は、岩井の一人娘で大学3年生の早紀を演じている。彼女は大学生活を満喫しミスコンを受賞、さらにテレビ局のアナウンサーへの内定が決まっているキラキラ女子だが、あることがきっかけで、インターネット上でバッシングされることになる――。
「台本を読んでSNSの怖さが繊細に描かれているなと感じました。私も普段からSNSを使っているので、その危険性も意識はしているつもりでしたが、日々の中で、どこか他人事になっている部分も否めませんでした。その意味では身につまされる思いだし、しっかり活用しなければと改めて感じました」。
簡単に使えるということは、逆に落とし穴も多い。特に早紀は第4話で、その穴にすっぽりとはまってしまう。これまでキラキラしていた女子大生が、苦悩の日々を迎えることになってしまうのだ。
「今回のお話をいただいたとき、キラキラ女子大生を演じられることがすごく楽しみだったんです。でも一方で、SNSの危うさに直面し、自身の中にある多面的な部分が出てきます。早紀の表面的な部分と、内面にあるギャップ。そこはしっかり表現できるように意識しました」。
唐田の言葉通り、物語のメーンとなる第4話で見せる早紀の苦悩や葛藤は大きな見どころだ。父親役の高橋、そして早紀と同じ大学に通う奥村ミサ役の久保田紗友とのシーンでは、唐田の芝居に対するスタンスが垣間見える。
「以前は、台本を読んで『こうしよう、ああしよう』と考えていたのですが、『寝ても覚めても』(2018年)という映画で濱口竜介監督と出会ってから、お芝居は一人でするものではないと学びました。もちろん、演じるキャラクターの気持ちの芯は作っていきますが、現場に入って、対峙する演者さんの気持ちをしっかり受け取って返していこうと心掛けています」。