夏帆、「閉鎖的だった」10代から「楽観的になった」20代

とてもフラットな自然体の女性。落ち着いて自分の言葉で質問に応える夏帆は、そんな印象を抱かせる。10代前半でCMデビューし、現在28歳。芸歴は15年を超えるが、いい意味で普段は芸能人、芸能人していない。そんな彼女が「半ドキュメンタリーのような感じで撮影を楽しみました」と語り、念願だったという冨永昌敬監督との仕事をかなえたのが、現在放送中のドラマ『ひとりキャンプで食って寝る』だ。10代からの活動を経て、「自分のやりたいことが見えるようになった」という夏帆が、現在に至るまでの自身を振り返った。
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◇警戒心が強かった10代の頃
2007年の主演映画『天然コケッコー』での演技から、一気に女優として注目を浴びるようになった夏帆だが、「10代の頃は今より閉鎖的でした」と明かす。
「自意識の塊で、あまり人を寄せ付けないようなところがありましたね。子どもの頃からこういう世界にいたこともあってか、人に対しての警戒心が強くて、『この人は、一体何を思って私に話しかけてるんだろう』なんて考えてしまったり。でも、ここ最近は楽観的になってきて、いろんなことを受け入れられるようになってきました。自分に自信があるタイプではありませんが、そうした自分も受け入れられるようになってきたからかなと感じています」。
先の『天然コケッコー』や、11代目リハウスガールに選ばれた「三井のリハウス」でのCMなどから、10代の頃は夏帆イコール“清純”といったイメージがついて回った。イメージ自体への抵抗はなかった。だが、自分の可能性を狭めてしまうことは嫌だったと語る。
「せっかく役者という仕事についているのだから、いろんな作品に出て、いろんな役をやってみたい。夏帆はこういう役をやらないだろう、こういう作品をやらないだろうと思われてしまったら本意ではないし、幅が狭くなってしまうことへの窮屈さは感じていました」。
年齢やキャリアを重ねるに従って、自分がやりたいと思う役、作品が明確になっていく。
「仕事を始めたのは12歳のときでまだ子どもでした。映画をたくさん観ていたタイプでもありませんでしたし、どういう作品があって、自分はどういうものが好きなのかも定まっていませんでした。でもいろいろな方と仕事をしたり、さまざまな作品を観るようになって、自分はこういうことをやりたいんだというのが、だんだん見えてくるようになったんです」。