中川大志、「覚悟が必要だった」ソニック役も『おはスタ』恩師・山寺宏一との共演に喜び
◆恩師・山寺宏一のフィールドで共演する喜び
ジム・キャリーが演じるドクター・ロボトニックの日本語吹き替えを担当するのは、山寺宏一。ソニック役についてお褒めの言葉をくれた山寺だが、中川にとっては中学2年生の時から2年間、テレビ番組『おはスタ』(テレビ東京)で共演し、「ずっと見守ってくれている、恩師であり、お父さんのような人」という特別な存在だ。「今回、声優という山寺さんのフィールドでご一緒させていただくことができて、すごくうれしくもあり、緊張感もあって。山寺さんは『おはスタ』以降もずっと、僕の作品を観てくれていて、会うたびにいろいろと声をかけてくれるんです」。
山寺から学んだのは、「伸び伸びと、楽しむことの大切さ」。「『おはスタ』ではいつも優しく見守ってくださって、伸び伸びとやらせてくださった。自由に、自分らしくやることの大切さを教えてもらいました。“本人たちが楽しんでいないと、見ている人たちも楽しめないのでは”ということを、山寺さんの背中を見てすごく感じました。山寺さんはモノマネをやったり、笑わせてくれたりと、いつもリラックスさせてくれた。僕たちにとっても、収録が好きな時間になるようにしてくれたんです」と感謝があふれ出す。
◆人生の半分を超えた役者人生 やめたいと思ったことは一度もない
10歳から映像の現場を経験し、「役者業が、人生の半分を超えました」と22歳の若さにしてすでに10年以上のキャリアを持つ中川。「学生の頃は、俳優業と学生生活のバランスやギャップに心が追いつかないときもありました。でも“この仕事をやめたい”とは一度も思ったことはないんです」とキッパリ。いつも前進する力となるのは、“現場が好き”という揺るぎない思いだ。「初めて現場に行った日のこともよく覚えているんです。大人がたくさんいて、その中に僕のような子どもが飛び込んで。でも現場では、子どもであっても、ものづくりをするメンバーの一員なんです。現場に来る以上は、子どもであっても求められることがある。それってすごく刺激的なことですよね。今でも“現場が好き”という思いと、“楽しい”という思いは尽きません」。
“超音速”が武器であるソニックだが、中川にとっての武器は?と尋ねると「凝り性なところですね」とニッコリ。「趣味も突き詰めてしまうタイプ。ハマったらとことんやりたい。“格好だけ”と言われるのがイヤなんです。役者業もそうですし、もっともっと突き詰めていきたいです」。爽やかな笑顔に、ストイックな役者魂をみなぎらせる中川大志。『ソニック・ザ・ムービー』にもその真摯(しんし)な姿勢がたっぷりと注ぎ込まれている。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
映画『ソニック・ザ・ムービー』は、6月26日公開。