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松本幸四郎、歌舞伎休演で自問し続けた5ヵ月間 長男・市川染五郎の飛躍にはエール

映画

(左から)市川染五郎、松本幸四郎
(左から)市川染五郎、松本幸四郎 クランクイン!

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松本幸四郎

市川染五郎

 コロナ禍で休演していた歌舞伎座が8月、5ヵ月ぶりに幕を開けた。歌舞伎俳優の松本幸四郎は「本当の再開はまだこれから」としながらも「今の状況は新しい表現を生み出すチャンスでもある」と語る。10月2日より全国公開されるシネマ歌舞伎『三谷かぶき 月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと) 風雲児たち』では主人公の大黒屋光太夫役を務め、長男の市川染五郎と共演する。歌舞伎界の花形と期待の新星の父子に、作品の魅力や舞台への思いを聞いた。

【写真】松本幸四郎&市川染五郎、仲むつまじい親子2ショット

■光太夫の人間的魅力を探り当てた

 『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』は、江戸時代に船で遭難し、漂着先のロシアでさまざまな困難に直面しながらも10年をかけて日本に帰国を果たした実在の人物・大黒屋光太夫の物語。三谷幸喜の作・演出による新作歌舞伎で、昨年6月に歌舞伎座で上演された舞台が映画化された。

松本幸四郎
 「光太夫というのは、平たく言うと、船頭さんが漂流してロシアに行ってしまったという、それだけの人なんです。それなのに歴史に名を残しているというすごさが、どこにあるんだろうと思った」と幸四郎。その秘密を探るため、ゆかりの地・三重県鈴鹿市を訪ね、話を聞いて回ったという。そしてたどり着いたのが、光太夫の人間的な魅力だった。

 「一つは、光太夫が初対面の人とすぐ友達になれる人だったこと。それがロシアに長い間いられることにもつながった。また、だいたい漂流した人たちは仲間割れするらしいのですが、光太夫を先頭にしたチームだけは仲間割れがなかったと言いますね。それには光太夫のとてもフレンドリーな人間性も関係しているでしょうし、決断力にも優れた人だったのだろうと感じました」。演じるにあたっては、「リーダーらしい威厳がないところが光太夫の魅力だと思うので、いかにもすごいことを言っている風ではない形で、人の心に届くような言い方ができないかなと思いながら演じていました」と話す。


 17人いた乗組員は、漂流生活を続けるうち、飢えや病気、寒さで次々と死んでいく。生き残った乗組員の中でも、2人は帰国を諦めロシアでの生活を選んだ。「2人とも本当は絶対に帰りたいんですよね。でも精神的に限界を超えてしまい、もうここにいるしかないと、自分で帰国の道を閉ざしてしまった。光太夫にはその思いが分かるからこそ、とてもつらかったのでは」と幸四郎は思いをはせる。いよいよ日本へ帰ることになった光太夫と、ロシアにとどまる2人の別れの場面は、一番の見せ場となる。

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