土屋太鳳が抱く“結婚”へのイメージ「そこまで希望は抱いてないです(笑)」
■「何でも話し合える家庭にできたらいいな」
“幸せとは何か?”というのも本作のテーマのひとつ。土屋にも小春のように、白馬の王子様が迎えに来てくれるような「幸せになりたい」という願望はあるかと問うと「幸せにしてほしいですね、やっぱり」と笑いつつ「でも…」と続ける。
「自分が何もしなくていいなら『幸せにしてください!』と思うけど…誰かに幸せにしてもらおうってだけじゃダメってわかっています(苦笑)。幸せもすごく難しいですよね。ごはんと一緒で、高級ならおいしいってわけじゃなく、誰とどんな会話をしながら食べるかで幸せ度って変わるじゃないですか。“欲”ですよね。危ないのは欲だなってこの作品を通じて感じました。結婚に関しては、母からずっと『結婚生活はいいことばかりじゃないよ』と言われてきたので、そこまで希望は抱いてないです(笑)。ただ、何でも話し合える家庭にできたらいいなと思ってます」。
■演じることへの心境の変化「周りを頼っていいと思えるように」
10代から20代前半にかけて、少女漫画原作のヒロインを演じる機会も多かったが、20代半ばに差し掛かり、確実に役柄の幅も広がってきた。「以前よりも『絶対にこの感情を出すぞ』という覚悟が強くなった気がします。甘えずに感情を表現しようとするようになったというか、前よりも少し心を強く持てているのかなと」。
そうした変化をもたらした要因は何なのか?
「周りを頼っていいと思えるようになりました。以前は自分の役を深めることができるのは、自分しかいないんだって考えていました。例えば『兄に愛されすぎて困ってます』は、はたから見たらキュンキュンするようなシーンが多いけど、実は兄とは血がつながっていなくて…というシリアスな設定があって、そのギャップを作るために自分はひたすら暗いことを考えたりして役を作っていました。でも今は、現場で不安があったら、それを周りに伝えてもいいし、自分は思い切りやって、周りに任せられる部分は任せていいんだなと。改めて、みんなで一緒に作っていくことの大切さを感じています」。
あの土屋太鳳がこんなヒロインを――? そんな驚きをこの先さらに届けてほしい。(取材・文:黒豆直樹 写真:高野広美)
スタイリスト/藤本大輔(tas)
ヘアメイク/尾曲いずみ