『ストレンジャー・シングス』ジョー・キーリー、ツイッターのハッキング被害に遭い心境の変化

Netflixドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で大ブレイクしたジョー・キーリーが主演するジェットコースタースリラー『スプリー』が、いよいよ日本で公開される。ジョーが演じたのは、SNSをバズらせるために凶行に及ぶ、モラルも常識も吹っ飛んだフォロワー至上主義の青年カート。映画のカートほどではないが、現実でもZ世代のスマホ依存によるメンタルヘルスの不調や、過激動画の投稿や迷惑行為が問題視されることがしばしば。ジョー自身は、昨年SNSのアカウントがハッキング被害に遭い、私生活の出来事と今回の作品を通してSNSとの向き合い方を見直したという。そんな彼に、サイコな殺人鬼役に挑んだ心境と、SNSとの距離の取り方について考えを語ってもらった。
【写真】『ストレンジャー・シングス』とは全く違う風貌に! 『スプリー』狂気の若者を演じるジョー・キーリー
◆ドラマの愛されキャラから一転、サイコな演技で新境地
ライドシェアアプリのドライバーとして働くカート・カンクルは、SNS時代の成功者とも言えるインフルエンサーになりたくて仕方がない青年。何をしてもパッとしない彼は、バズらせるために「ザ・レッスン」とタイトルを付けて乗客を殺害する様子を生配信することを思いつく。
映画『スプリー』より (C) 2020 Spree Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.
本作に惹(ひ)かれた理由を「脚本を読んだとき、客の男がカートに差し出された水を毒入りと知らずに飲んだところでヤバイと思った。他の作品と違うものを感じたんだ」というジョー。「カートはSNSと社会への理解が狂っているところがあって、自分にはたくさんのフォロワーがいるべきなんだと思い込んでいる。そこが面白かった」と作品の魅力を語る。
人気ドラマで自身が演じる役とは180度違うキャラクターに、衝撃を受けるファンも少なくないだろうが、演じるうえでは「大きなチャレンジだったし、恐くもあった。でもうまくやれば、ユーモアも入れられると思ったんだ」と明かす。
カートはいわばサイコな連続殺人鬼だが、共感できる部分もあったようだ。「例えば、自分は何か足りないんじゃないかっていう不安な気持ちは分かる気がするし、彼は常に承認欲求というものが根深くある。そういうところはわからなくもない」。ただし「ダークな部分は全然共感できなかったから、演じるのは難しかった」とも話す。
映画『スプリー』より (C) 2020 Spree Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.
初めての映画主演であることに加え、劇中の90%に出ずっぱりというプレッシャー。撮影前には劇中のカートさながら、監督と50本のミニ動画を作成してみるなど、入念な準備を行った。ライブカメラに向かって一人で話すシーンも多く、ほぼ一人舞台とも言える本作での撮影は「今までとは全く違う経験」だったと語り、スクリーンで見せるジョーの新境地にぜひ注目してほしい。