井浦新、『最愛』“加瀬キュン”は自ら考案「視聴者の皆さんと一緒に物語を楽しんでいる」
吉高由里子主演の『最愛』(TBS系/毎週金曜22時)で、主人公の真田梨央(吉高)をあらゆる手段で守ろうとする弁護士・加瀬賢一郎を演じている井浦新。その底抜けな包容力に、SNS上では“加瀬さん”人気が高まっている。10日に放送される第9話を含めて残り2話となった本作。井浦に話を聞くと、共演で感じた吉高や松下洸平への思い、演じる加瀬について、終盤に向けての見どころを明かしてくれた。
【写真】“加瀬キュン”名場面を振り返り!
◆1話からブレない「梨央に優しく寄り添う」というキーワード
『アンナチュラル』『MIU404』(共にTBS系)の新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督が再タッグを組んだ本作は、殺人事件の重要参考人となった実業家の梨央と、梨央の初恋の相手で事件の真相を追う刑事・大輝(松下)、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士・加瀬の3人を中心に描くラブサスペンス。梨央が15年前と現在に起きた2つの殺人事件に翻弄される様をオリジナルで描き、SNS上では考察が盛り上がっている。
金曜ドラマ『最愛』に出演する井浦新 (C)TBS
加瀬は、梨央が社長を務める「真田ウェルネス」の法務部に所属する弁護士。頭の回転が早く論理的だが、どこか不器用な面も持ちつつ、あらゆる手段を使って梨央をフォローし守る存在だ。井浦は、加瀬についてクランクイン前から新井プロデューサーや塚原監督と話して「梨央に優しく寄り添うっていうのはブレないように設定してました」と打ち明け、「加瀬は大輝とは見事に対極なキャラクター像ですね。大輝は誰かを思うことに対して、不器用ながらも内側から表に出していくけど、加瀬は内側にあるものを表に出していくタイプではなくて。ただ、梨央の目標や夢を支えて、梨央の見ようとしている景色を一緒に見たいという思いが強く、良くも悪くもシンプルなマインドの人物だと、1話からブレずに演じてきたので確信しました」と、加瀬についての気付きを明かす。
金曜ドラマ『最愛』に出演する井浦新 (C)TBS
劇中では、登場人物がそれぞれの“最愛”のために行動していく様が色濃く描かれているが、「加瀬の“最愛”も回を重ねるごとに核心になっていて、ずっと変わらない」と言及。加瀬は、15年以上、仕事もプライベートも支える梨央をはじめ、梓(薬師丸ひろ子)や政信(奥野瑛太)など真田家を支えており、「3話の始まりのナレーションで言っていますけど、加瀬にとって家族の形は、血が繋がっているかどうかではなく、それを越えたところにあって。そういう最愛の形がだんだんと明確になってきて、それ以外は本当にないんですよね。加瀬の“最愛”の形は、もしかしたら多くの人たちが持っているもので、登場人物の中で一番普通な“最愛”の形だと思いますね」と自身の考えを語る。
また、「『梨央に優しく寄り添い続ける』というキーワードを大切にしすぎると、役の輪郭がイメージしたものになりかねないので、塚原監督と役の輪郭を押し広げるようにしていました」と役作りについても告白。加瀬の描かれていないプライベートを考え、言葉遣い、真田家への対応などさまざまなところを意識していたそうで、「さじ加減は塚原さんたちがコントロールしてくれるので、僕はとにかく伸び伸びと、加瀬がイメージの中にはまらないように、けどやりすぎないようなギリギリのラインを探っていくのは、加瀬を演じる上で楽しかったところでもあります」と充実した表情で打ち明けた。
◆“加瀬キュン”は僕が勝手に作った
7話の加瀬がホームセンターでよろけた梨央の荷物を持ったのはアドリブだと明かされ、SNSでは「井浦の地が加瀬じゃないか」と話題に。そのことを投げかけると、「地が加瀬の井浦新と申します。加瀬に関しては、お芝居していないです。ドキュメンタリーです」とドヤ顔で語り、笑いを誘う。
金曜ドラマ『最愛』に出演する井浦新 (C)TBS
また、SNSでは“加瀬キュン”というワードも話題になっているが、井浦は「“加瀬キュン”は僕が勝手に作ったんです」と苦笑いし、「新井さんがインタビューで『このドラマは“ジリキュン”だよね』と話していて、面白いと思ったんです。でも埋もれていたので、僕がSNSでいじり始めて。流れで“キュン”をいろんなものに適当に付けていたら、ありがたいことに視聴者の人たちが拾ってくれたんです」と感謝。
先日は自身のインスタグラムで吉高との密着ショットを「ごめんね大ちゃん」とコメントをつけてアップ。それに、松下が大輝としてコメントを返し、ファンが沸いていたが、「この作品は、完成した映像が毎回台本を超えて来るので、僕も視聴者の皆さんと一緒に物語を楽しんでいて。そのフレッシュな気持ちをそのままSNSに乗せてしまうと、変な言葉が出てきてしまったりするんです」と苦笑いしつつ、「場外乱闘と言っていいのかな。物語とは全然リンクはしていないやり取りとか、そういうの全部ひっくるめて楽しんでもらえるのは本当にありがたいです」と感慨深い様子でコメントした。