妻よ薔薇のやうに

【解説/みどころ】
中野実が新生新派のために書いた『二人妻』を映画化した成瀬巳喜男監督の名作。砂金探しに出たまま家を捨てた男と女流歌人である妻、そして正式な妻ではないものの男に献身的な愛を捧げる芸者上がりの妾の三角関係を、歌人との子である若い娘の目を通して描く。才女だが冷淡な女よりも、優しく無心な女を選ぶ男という劇的構造を持ちながら、各人の微妙な心の揺れを、繊細かつ緻密に表出して単純な図式に陥ることのない演出が秀逸。とりわけ夫を激しく想いながらも、意に反して冷たい態度をとってしまう妻の描写は見事である。娘役を演じる千葉早智子はやがて成瀬夫人となり、その後離婚して映画界から去った。
- キャスト
- 千葉早智子/ 丸山定夫/ 英百合子/ 伊藤智子/ 伊東薫/ 藤原釜足/ 細川ちか子/
- スタッフ
- 監督: 成瀬巳喜男 脚本: 成瀬巳喜男 原作: 中野実
- 上映時間・制作年
- 74分/1935年
- 制作国
- 日本
- 配給
- P・C・L
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