池井戸潤、作家人生の転機作『シャイロックの子供たち』ドラマ化決定
累計発行部数50万部を突破した作家・池井戸潤の小説『シャイロックの子供たち』(文春文庫)が、WOWOWにて本年、連続ドラマ化されることが決まった。
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池井戸が「ぼくの小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」と明言し、作家人生の転機として位置付けてきた本作。タイトルの「シャイロック」とは、シェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』に登場する強欲な金貸しのこと。本作は、銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮らすことの幸福と困難さを鮮烈に描いた傑作群像劇だ。
物語の舞台となる東京第一銀行長原支店は、中小零細企業が主な取引先の小さな店舗。出世街道を外れた課長代理・西木雅博をはじめ、家族を支える真面目な女性行員、エリートで策略家の支店長、業績のためにはパワハラも辞さない副支店長、業務課のエースなど、個性豊かで一癖ある行員たちが皆それぞれの事情や葛藤を抱えながら働いていた。
ある日、長原支店で100万円の現金紛失事件が発生する。女性行員が犯人として疑われるが、紛失事件を追っていたはずの西木が突然、失踪してしまう。現金紛失事件と西木の失踪。2つの謎と長原支店の行員たちの物語が交錯していく。やがて現金紛失事件の裏に隠された 「不正」 が明らかに。西木が姿を消した驚きの真相とは-。
WOWOWでは、池井戸作品がまだ連続ドラマ化されていなかった2009年に『連続ドラマW 空飛ぶタイヤ』(2009 年/全5話)を映像化し、その年のドラマ賞を席巻した。それ以来、『連続ドラマW 下町ロケット』(2011年/全5話)、『連続ドラマW 株価暴落』(2014年/全5話) 、『連続ドラマW アキラとあきら』(2017年/全9話)、『連続ドラマW 鉄の骨』(2020年/全5話)など、数々の池井戸潤原作ドラマを世に送り出してきた。
今作は監督を鈴木浩介、脚本を前川洋一が務め、『連続ドラマW アキラとあきら』『連続ドラマW 鉄の骨』に続いて再び池井戸作品でタッグを組むこととなる。キャストは今後発表される。
『連続ドラマW シャイロックの子供たち』は、WOWOWにて本年放送。