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『峠 最後のサムライ』役所広司も惚れた、一歩先を読む“リーダー”河井継之助の功績とは

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映画『峠 最後のサムライ』場面写真
映画『峠 最後のサムライ』場面写真(C)2020「峠 最後のサムライ」製作委員会

 俳優の役所広司が主演する映画『峠 最後のサムライ』が6月17日公開される。3度の延期を経て、ついに公開される本作は、“幕末の風雲児“河井継之助の最後の1年を描く。坂本龍馬と並び称され、敵対していた西郷隆盛や勝海舟さえもその死を惜しんだと言われる知られざる英雄・河井継之助とは、いったいどんな人物なのか。

【写真】『峠 最後のサムライ』役所広司×松たか子“夫婦”カット

 本作は、歴史小説界の巨星・司馬遼太郎が、幕末の風雲児と呼ばれた越後長岡藩家老・河井継之助を描いた国民的ベストセラー『峠』を初の映像化。監督・脚本を務めたは小泉堯史は、黒澤明監督の助監督として数々の名作に携わり、初監督作品『雨あがる』で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞のち、多くの作品で人間の美しい在り方を描いてきた。

 原作者の司馬は「私はこの『峠』において、侍とはなにかということを考えてみたかった。その典型を越後長岡藩の非門閥家老河井継之助にもとめたことは、書き終えてからもまちがっていなかったとひそかに自負している」と記しており、サムライの理想像を河井継之助に見いだしたと明かしている。

 小泉監督も「継之助はサムライのなかのサムライであり、本物のサムライを描きたいと思えばこの人を描けばいいのだろうと思っていました」と語るように、司馬が描く河井継之助にほれこみ映画化に尽力したことを明らかにした。

 さらに、主演の役所広司も、“理想のリーダー像”を体現する継之助について「未来を見据えた、毅然(きぜん)とした態度から出てくる決断力は、リーダーとして理想の人物だと思う」とし、継之助にほれ込んだ思いを語った。

 二度の江戸留学と長崎までの遊学の旅を経て、「学問とは、その知識を披露するものではない。行動をもって、その人が得たものを見てもらうことが肝要」を信条に、自分の足で集めた豊富な知識をもとに、徹底した実践主義を貫いた継之助。「生きた学問、生きた知識」を必要とした長岡藩は、継之助を42歳という異例の若さでスピード出世させ、家老上席に抜てきした。

 継之助は、当時多額の負債を抱えていた藩の財政をたった3年で立て直し、そこから黒字に変える偉業で藩を救った。「金儲けは藩のためになる。領民を豊かにしてこそ藩財政が立ち直る機縁になる」と、産業振興や京阪での商取引きに着手し、利益を上げるなど、類まれなるビジネスマンとしての才能を発揮する。さらに「慣習化した賄賂の廃止」や「免税制度の不正撤廃」、「川の通行税廃止」や「賭博の禁止」、「遊郭の禁止」など、これまでのルールや慣例にとらわれず、藩のため庶民のために次々と大胆な財政改革を成功させた。

 それだけに留まらず、来たる戦乱の世を見据え、横浜にいた外国人貿易商から当時最新鋭のガトリング砲を仕入れるなど、国内有数の軍備をそろえた上で、「武装中立」を宣言。ただスローガンを掲げるだけではなく、軍備増強し足元固めにも抜かりがなかった。先を読む力とビジネスの才覚にたけ、戦となれば軍師としての才能をいかんなく発揮する、まさに攻守一体となった理想のリーダーと言える。

 そんな守るべきものを守るため、そして戦わないため「闘った」、“知られざる幕末の英雄”の生き様を、本作で役所が熱演する。

 映画『峠 最後のサムライ』は6月17日より全国公開。

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