誰も知らないオーストラリアがここに――エリック・バナ主演サスペンス『渇きと偽り』公開
世界的ベストセラーとなったオーストラリアのミステリー小説を、俳優エリック・バナを主演に迎えて映画化した『The Dry(原題)』が、邦題を『渇きと偽り』として9月23日より公開されることが決定した。
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ジェイン・ハーパーのデビュー作『渇きと偽り』(ハヤカワ文庫刊)を、オーストラリアを代表するキャスト&スタッフで映画化した本作。主演は、本作が12年ぶりのオーストラリア映画主演となるエリック・バナ。自然に恵まれた観光大国の裏側で、今のオーストラリアが直面する問題を生々しく提示しながら、エンターテイメントに昇華させたクライムサスペンスだ。
物語の舞台となるのは、1年近く雨が降っていない架空の田舎町。過去と現在に起きた2つの不可解な事件を軸に、息の詰まるような人間ドラマが展開していく。干ばつに喘ぐ閉鎖的な田舎町で暮らす人々の憤りや焦燥感が、サスペンスをさらに盛り上げる。
メルボルンの連邦警察官アーロン・フォーク(エリック)は、旧友であるルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに故郷に帰ってくる。自ら命を絶つ前に自身の妻と子供を殺したとされるルークは、10年以上も干ばつが続き、狂気に襲われたこの土地の犠牲者だと思われていた。気が進まないながらも、町にとどまって捜査を行うことにしたフォークは、自身の古傷となっている、当時17歳のエリー・ディーコンの死にも向き合う。
やがてフォークは、数十年も離れて起こったこの2つの犯罪はつながっているのではないかと疑う。ルークの無実だけでなく、自身の無罪を証明すべく奔走するフォークは、彼に向けられた偏見や、怯えた住人たちが抱える鬱屈(うっくつ)とした怒りと戦うことに。果たしてルークは本当に家族を殺したのか。そして過去の未解決事件の犠牲者、エリーの死の真相とは。
主演のエリック・バナは原作にほれ込み、自らプロデューサーも務めた。本作についてバナは「国内に限らず海外の映画館で、本作で描かれるような人口の少ないオーストラリアの地域を見せられることについて、とてもワクワクしています。オーストラリア人がどのように未開地を捉えているか、都市部、またその近隣に住む人がどのように今のオーストラリアを捉えているか、リアルに描かれた作品です」とコメントを寄せている。
映画『渇きと偽り』は9月23日より全国公開。