スタローン、発話の困難を克服した過去も 『ロッキーVSドラゴ』インタビュー動画公開
シルヴェスター・スタローンが監督・脚本・主演を務めた映画『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』より、スタローンが自らのキャリアを振り返る姿を、ロッキーシリーズの数々の名シーンと共に収めた特別動画が解禁された。
【動画】スタローンが歩みを語るインタビュー動画
本作は、映画『ロッキー4』(米国1985年、日本1986年公開)を、スタローン自ら納得いくまで吟味を重ねて再構築し、42分の未公開映像を加えた作品。
スタローンは今回の再編集によって、ロッキー・バルボアの内なる旅、イワン・ドラゴの変化、アポロ・クリードとロッキーの友情を強調し、映画の核であるドラマをより濃く描きだすことに成功。アポロの息子を主人公にした『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)、『クリード 炎の宿敵』(2019)のクリードシリーズへのつながりも意識した作品に仕上がっている。
今回解禁されたのは、スタローンが自らのキャリアを振り返る姿を、ロッキーシリーズの数々の名シーンと共に収めた特別動画。インタビュアーは、スタローンの友人で映画監督のジョン・ハーツフェルドが務めている。
「今となっても…ロッキーについて説明できないんだ。私でさえ理解できないのがこの作品の凄さなのかも」としみじみ語るスタローン。そしてロッキーシリーズについて「ここにはたくさんのドラマがある。そう、スポーツ映画というよりもこれは人間ドラマなんだ」と強調する。
続いて「アクション俳優になろうと思ったことはなかったし、考えもしなかった。ずっと演劇に夢中だったんだ。最初の頃はいつも古典を演じていた」と、キャリアの初期は演劇青年だったことを告白。さらに「俺の声は、いろんな事が重なってできた。俺は慈善病棟で生まれた。あまりお金がなかったから。それで(口元のあたりを指しながら)ここの神経を殺されたんだ。だから口が片方だけ曲がっていて、声がとても深いんだ。それが逆に幸いして、とてもユニークなものになった」と、自身の個性的な声が生まれた衝撃的な経緯をさらりと明かしている。
ハーツフェルド監督から、発話の困難を克服したことについて改めて問われると「できる限り努力はしたよ。人が理解できる程度になるまで努力した。でも決してクリアで透き通った声にはならない。ネイチャードキュメンタリーのナレーションをすることはないだろう。でも、私が演じているキャラクターにはぴったりなんだ」「この声は仕方ない。誰とも同じじゃない。俺ならではの声だから」と自信をにじませる。
また、ロッキーの強さの源について「俺は運動神経がいいとは言えないが、動物的なんだ。多くの人が殺人本能を隠しているが、俺の場合は表面に現れている。ロッキーがパンチを繰り出すとき、技術はなくても、その粗暴さは野性的な本能からくる。それがロッキーの強さの源だ」とコメント。
続けて「何のための戦いなのか?『チャンピオンになりたいだけ』ではダメなんだ。共感できない。観客も共感できない。だから、最初にロッキーが登場したとき、彼の目標は近所の仲間たちの一員にならないことだった。人生の終わりにやったぞと言える何かになりたいんだ。誰もがそれを望んでいる」と熱弁し、最後は「俺はいい人生を歩んできた。闘志を持って。闘志や自尊心がなければ、家中の鏡を壊した方がマシさ」と語っている。
映画『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』は、8月19日より全国公開。