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森山周一郎の半生を辿るドキュメンタリー、10.21公開 『紅の豚』ポルコ、チャールズ・ブロンソンの声を担当

映画

 2021年死去した声優・森山周一郎の半生をたどるドキュメンタリー映画『時には昔の話を/森山周一郎 声優と呼ばれた俳優』が、10月21日より全国順次公開されることが決定。併せてポスタービジュアル、場面写真、監督コメントが到着した。

【写真】世界的名優達の吹き替えをアテレコ黎明期から担当した森山周一郎

 本作は、宮崎駿監督による名作『紅の豚』(1992年)の主人公ポルコ・ロッソ役、そして世界的名優ジャン・ギャバン、チャールズ・ブロンソンの日本語吹き替えなどで人気を博した森山周一郎の俳優・声優としての人生と、後進への思いを後世に伝えていくドキュメンタリー。

 戦後、まだテレビが生放送だった頃、ドラマも生放送で行われ、録音技術や機器が発達していないために吹き替えも生収録だった。そうした中、現場ではNGを出さない舞台俳優が多く起用され、森山もその一人だった。独特の低音ボイスを生かし、フランス映画俳優のジャン・ギャバン、ハリウッド映画俳優のチャールズ・ブロンソン、テリー・サバラスをはじめ、世界的名優たちの吹き替えをアテレコ黎明(れいめい)期から担当。宮崎駿監督の『紅の豚』ほか数々のアニメ―ション作品にも出演し、声優文化に大きく貢献した。

 声優・森山周一郎と映画監督・小原正至が手掛けた初作品『THE ANCESTOR』(2017年)は、米国アカデミー賞公認のショートショートフィルムフェスティバル&アジア2018にてアニメ作品初のジャパン部門優秀賞と東京都知事賞を受賞。2作目『アイアンプレッジ』(2021年)は国内外の映画祭で多くの上映を果たした。そして3作目となる本作は、森山さんの経験した戦後の芸能界や生収録のアテレコの現場、競争率が高く厳しい世界を生き抜いた仕事術など、未来の俳優・声優たちへの思いを託す作品を目指すことになった。しかし2021年2月に森山さんは永眠。小原監督は、森山さんの思いを絶やすことなく作品を作り上げた。

 本作には、森山さんの劇団東芸時代の後輩である人気声優・野沢雅子や、先輩である大塚周夫の息子の大塚明夫のほか、森山さんの初監督作品『幻想のParis』(1992年)に出演した俳優の中尾彬と主題歌を担当したLiLiCo、スタジオジブリ作品『風の谷のナウシカ』(1984年)の主演を務めた声優・島本須美、同スタジオ作品『紅の豚』マダム・ジーナ役にて森山と共演した加藤登紀子など、今も芸能界で活躍を続けるレジェンドたちが出演し、森山と彼らが生きた時代を語っていく。

 小原監督は「この作品には森山周一郎という一人の人間の歴史が映し出されています。戦争を経験した幼少期。戦後に舞台を通して入った芸能界。収録無しの一発勝負の生放送ドラマや生放送吹き替えに臨んだ現場の数々。失敗できない実力時代を生き抜き、競争率の高く厳しい世界を森山さんは駆け抜けていきました。俳優であるとともに声優という新しいジャンルを開拓した森山さんの軌跡や想い、そして周一郎の名前の通り、周りを一番に考える男の生き方、後進達に感じる希望、それらを残して伝え続けていきたいという気持ちで本作を作りました。戦後の日本の底力を感じてもらえたり、今まさに俳優・声優を目指している若者達に、力と勇気を持っていただける事を心より願っています」とコメントしている。

 映画『時には昔の話を/森山周一郎 声優と呼ばれた俳優』は、10月21日より全国順次公開。

映画『時には昔の話を/森山周一郎 声優と呼ばれた俳優』予告

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