吉本ばななの長編小説『N・P』を映画化 ポスター&予告編&場面写真一挙公開
作家・吉本ばななの長編小説を映像作家リサ・スピリアールトが実写化した映画『N・P』が、10月15日よりシアター・イメージフォーラムにて公開、10月8日より金沢・シネモンド、富山・ほとり座にて撮影地先行公開となることが決定。併せて、ポスタービジュアル、場面写真、予告編が解禁された。
【動画】吉本ばなな『N・P』を“現代のサイレント映画”として実写映画化 映画『N・P』予告編
本作は、ある夏の日本を舞台に、謎めいた故・高瀬皿男の小説『N・P』に魅了された4人の若者が、その1冊の本によって結びつけられてゆく様子を描き出す。状況音とノイズミュージックをバックにセリフが字幕で表示される独自のスタイルが貫かれており、その実験精神にあふれる表現が評価され、第31回マルセイユ国際映画祭 国際コンペティション部門をはじめ、世界各国の映画祭で上映された。
監督を務めるのは、ベルギーを拠点とする映像作家リサ・スピリアールト。10代の頃に初めて原作小説を読み魅了され、たった一人で2015年に企画を立ち上げ、2017年に撮影、その後、慎重に編集・サウンドデザイン作業を重ね、約5年の歳月をかけ映画を完成させた。本作が初の長編映画監督作となる。
一冊の本に魅了された若者たちを演じるのは、ベルギーを拠点に映像、アニメーション、壁画、陶芸など多岐の表現メディアで活動するアーティストのクララ・スピリアールト、日本のコンテンポラリーダンスシーンで数々の受賞歴を持つ新進気鋭の振付家・ダンサーの川村美紀子、その他ヴァン=デ=ステーネ・サールチェ、宮村周志らが出演する。
物語は『N・P』という一冊の本から始まる。著者の高瀬皿男は48歳で自殺を遂げていた。97の短編からなるその小説に、未収録の98話目の存在が明かされる。その98話に描かれていたのは、実の娘に恋する男の話。それを翻訳していた庄司もまた、自ら命を絶ってしまう。翻訳と原作とはどう関係するのか? フィクションと現実とは? 人生は、どこまでが決められた物語として演出されたフィクションなのか? そして、登場人物の間でしばしば起こる近親相姦的な相互作用の本質とは何なのか?
ポスタービジュアルや場面写真、予告編には、「あるのは熱い陽射し それから強力な不在感 私は夏そのものだったような気がする」という印象的な言葉の通り、一冊の本を巡る、ひと夏の鮮烈な愛の物語を予感させる、美しいシーンの数々が切り取られている。
映画『N・P』は、10月15日よりシアター・イメージフォーラムにて公開、10月8日より金沢・シネモンド、富山・ほとり座にて撮影地先行公開。