制作期間30年、巨匠フィル・ティペットの脅威のストップモーションアニメ『マッドゴッド』公開決定
“特殊効果の神”ことフィル・ティペットによるストップモーションアニメ『マッドゴッド』が、12月2日より全国順次公開されることが決定。本作のポスタービジュアルに加え、日本版予告編、場面写真が一挙解禁された。
【動画】驚愕のストップモーションアニメ『マッドゴッド』予告編
『スター・ウォーズ』『ロボコップ』『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズなど、誰もが知る名作の特殊効果を手掛け、アカデミー賞を2度受賞、その後のSF作品に多大な影響を与えた巨匠フィル・ティペット。本作は、ティペットが30年の制作期間をかけ、執念で完成させたストップモーションアニメだ。
今から約30年前、ティペットは『ロボコップ2』(1990)の撮影後に本作『マッドゴッド』のアイデアを閃き、地道に製作を続けていた。だが、『ジュラシック・パーク』(1993)で時代が転換点を迎え、ティペットの代名詞である手作りの視覚効果から、業界が本格的にCG映像へと移行。「俺の仕事は絶滅した」とプロジェクトは中断された。
それから20年後。ティペット・スタジオの若きクリエイターたちが倉庫を掃除しているときに奇跡的に当時のセットを発見し、彼らの熱望により企画が再始動。フィルは新世代のアーティストや職人に教え、愛情込めた作品を蘇らせた。さらに、クラウドファンディングで世界中のファンからの応援も集まり、2021年シッチェス映画祭で上映され、「世紀の傑作」(IndieWire)、「こんな映画はかつてなかった」(Los Angeles Times)と絶賛を受けた。
「天国よりも地獄に惹かれる」と語る天才ティペットの潜在意識から溢れ出したのは、かつて誰も見たことのない暗黒世界。孤高のアサシンが荒廃した地底に潜り、拷問された魂、老朽化した地下壕、うごめく不気味なクリーチャーたちの間を巡っていく。
解禁されたポスタービジュアルのデザインを担当したのは、『ミッドサマー』『TITANE/チタン』『LAMB/ラム』などを手掛けた人気グラフィックデザイナーの大島依提亜氏。孤高のアサシンがランタンを掲げて降り立ったのは、グロテスクなクリーチャーたちが棲む地底世界。「〈裏側の世界〉へ扉が開く――」というコピーが、これから始まる旅の不穏さを物語る。
併せて解禁された日本語版予告編では、まさにストップモーションアニメの最高峰というべき、地獄のディストピアの圧倒的な世界観、細部までこだわり抜かれた緻密な造形の数々を見ることができる。さらに場面写真では、クリーチャーたちやアサシン、人類最後の男「ラストマン」に扮したアレックス・コックスの姿も切り取られている。
映画『マッドゴッド』は12月2日より全国順次公開。