佐藤浩市×横浜流星W主演、沢木耕太郎『春に散る』を映画化、2023年公開決定
俳優の佐藤浩市と横浜流星がダブル主演する映画『春に散る』が、2023年全国公開されることが決まった。
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原作は沢木耕太郎の同名小説(朝日新聞出版)。沢木が半生をかけて追い続けてきたテーマは、ボクシングを通じて“生きる”を問うこと。新田次郎文学賞を受賞した『一瞬の夏』(1981年)、『カシアス』(2005)に続き、『春に散る』はその集大成ともいえる作品となっている。
主人公は、不公平な判定で負け米国へ渡り、40年ぶりに帰国した元ボクサーの広岡仁一と、偶然飲み屋で出会い、同じく不公平な判定で負けて心が折れていたボクサーの黒木翔吾。仁一に人生初ダウンを奪われたことをきっかけに、翔吾は仁一にボクシングを教えて欲しいと懇願。やがて二人は世界チャンピオンを共に目指し、“命を懸けた”戦いの舞台へと挑んでいく―。
翔吾を導くことで人生に尊厳を取り戻そうとする仁一を演じるのは佐藤浩市。仁一と出会い、諦めかけていた夢に再度挑戦する翔吾を演じるのは横浜流星。監督は人間ドラマの名手・瀬々敬久。
佐藤は「世代が違うと異人種であるかのように距離を置く人達もいる昨今、世代を超え拳ひとつで明日の階段を登ろうとする漢たちの映画になると信じて臨みます」、横浜は「今ボクシングを1から学んでますが、芝居と格闘技、心から好きなものを仕事でできる幸せを噛み締めながら、翔吾が言っていたように今しか無い一瞬の光を掴めるよう、燃え尽きます」とコメント。
瀬々監督は「十代後半から二十代前半にかけて沢木耕太郎さんのノンフィクションの幾つかを夢中になって読んだ経験があります。それらは、“老人と青年”が主人公として描かれ、“命と使命”についての葛藤の物語であり、“永遠と一日”の感受性が、常に描かれていました。老齢に差し掛かってしまった今、もう一度あの時間を『春に散る』を通して生き直してみたいと思っています」としている。
原作者の沢木は「文章の世界と映像の世界は目指すところの異なる二つの表現形式である。映画の制作スタッフが、広岡をどのように生き切らせ、死に切らせようとするのか。あるいは、まったく別のテーマを見つけて提示してくれるのか。楽しみにしている」と期待する。
映画『春に散る』は、2023年全国公開。
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