元人気漫画家が手にした、堕落への片道切符 竹中直人監督×斎藤工主演『零落』本予告解禁
竹中直人監督が斎藤工を主演に迎えて描く映画『零落(れいらく)』より、本予告とポスタービジュアルが解禁されたほか、追加キャストとして吉沢悠、菅原永二、黒田大輔、佐々木史帆らの出演が発表された。併せて、主題歌がドレスコーズの楽曲「ドレミ」に決定し、よしもとばななと斉藤和義からのコメントも到着した。
【動画】元人気漫画家が堕ちゆく姿を斎藤工が好演 映画『零落』本予告
『ソラニン』などで知られる浅野いにおの同名漫画を映画化した本作。自堕落で燃え殻のような毎日を送る元売れっ子漫画家とミステリアスな風俗嬢との出会いを軸に、漂流する“表現者”の魂の喪失と覚醒を描く。
監督は、デビュー作『無能の人』から本作で10作目となる竹中直人。主人公の元人気漫画家・深澤薫を斎藤工。“猫のような目をした”風俗嬢・ちふゆを趣里。敏腕漫画編集者で深澤の妻・町田のぞみをMEGUMI。さらに玉城ティナ、安達祐実、山下リオなど個性的なキャストがスクリーンを彩る。
このたび、元人気漫画家が堕ちゆく姿を映し出す本予告が解禁。人気漫画家として脇目もふらず駆け抜けてきた深澤(斎藤)は、8年間の長期連載を終え、真っ白な原稿を目の前にしてもペンが動かずにいた。そんな彼に、敏腕漫画編集者の妻(MEGUMI)は今売れている20代の若手漫画家を勧めてきて、超売れっ子漫画家の牧浦かりん(安達祐実)やアシスタントも口を出してくる。
「どいつもこいつも」と不満を抱えながら、鬱屈した毎日を過ごす深澤に、さらにSNSでの読者からの酷評、売れ線狙いの担当編集者との衝突、多忙を極める妻との絶え間ない喧嘩と離婚の危機が降りかかる。そんなある日、深澤は「漫画はどちらかというと嫌いかも」という“猫のような目をした”風俗嬢・ちふゆ(趣里)と出会い惹かれていく。暗い海に入っていく深澤の姿に重なる、「堕ちよ、生きよ!」という言葉。堕落への片道切符を手にした深澤は、人生の岐路に立つ…。
ポスタービジュアルは、孤独と向き合う覚悟を決めた深澤が、朝焼けの海辺に佇む姿を切り取ったもの。海の波と朝焼けのグラデーションの色合いが、深澤の繊細な心象風景を表している。両側には「もう、うんざりだよ。面白いとか売れてるとか…そんなもんに一喜一憂する生活は」「あなたが漫画を描き続ける限り、あなたは誰かを傷付ける。死ぬまでひとりぼっち」という劇中の印象的なセリフが添えられている。
第3弾の追加キャストも発表。深澤の大学時代の友人・山石役に吉沢悠、加賀役に菅原永二、平野役に黒田大輔。風俗嬢・まりめっこ役に佐々木史帆。フリーライター役に志磨遼平、フリーライターと共に深澤にインタビューする編集者の塚田役に安井順平。深澤のファンでSNSでもメッセージのやりとりをするアカリ役に宮崎香蓮。さらに、竹中直人監督作品らしく、しりあがり寿、大橋裕之など多彩な面々が出演し、賑やかにスクリーンを彩る。
主題歌は、本作にフリーライター役で出演しているドレスコーズの志磨遼平が書き下ろした「ドレミ」。哀愁漂うバラードである同曲は、今回解禁された予告編でも深澤のアンニュイな心情に寄り添うように流れている。
また今回、本作を一足先に鑑賞した作家のよしもとばなな、ミュージシャンの斉藤和義からのコメントも到着。よしもとは「もがくほどになにもかもがダメになっていく時期はある。そしてそこにしかない絶対的な美しさもある。観ていてとても苦しいのに、美しさにしか気づけないすばらしい映画だった」と語る。なおこのコメントは、予告編の冒頭でも流れている。
斉藤は「グッと入り込めて一気に見てしまう映画でした。役者陣も素晴らしいし映像も美しい。それぞれの人生模様がリアルで思うところ沢山ありました」と絶賛している。
映画『零落』は2023年3月17日より劇場公開。