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MEGUMI「やりたい仕事が1つも来ない」出産後に当たった壁 “もがき期”を経て得た今

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MEGUMI クランクイン! 写真:松林満美

 パワフルに多方面へのチャレンジを続け、年齢を重ねるごとに魅力を増しているMEGUMI。女優としての活動も勢いに乗り、浅野いにおの同名漫画を竹中直人監督が映画した『零落』では、出演・プロデュース業を兼任。「公開までたどり着き、ものすごく感慨深い」と充実の笑顔を見せる。40代以降の人生のモットーを「前のめり」と明かした彼女だが、20代後半に徐々に仕事が減っていると実感し、出産後には「役者をやりたいと思っていても、全然仕事が来ない」と悩んでいたという。MEGUMIが“もがき期”を経て、絶好調の今に至るまでの道のりを語った。

【写真】MEGUMI、ブラックドレスで凛(りん)とした表情見せる撮り下ろしカット

■出産後に大人の思春期「光を持って暴れた」

 元売れっ子漫画家から落ちこぼれ漫画家となった深澤薫(斎藤工)と、ミステリアスな風俗嬢のちふゆ(趣里)の出会いを軸に、漂流する“表現者”の魂の喪失と覚醒を描く本作。連載を駆け抜けたあとに残った孤独やこの先の不安など、ミドルエイジを迎えた男性の空虚感を、斎藤がリアルかつエモーショナルに体現。MEGUMIは、薫の妻で敏腕漫画編集者・のぞみを演じた。

映画『零落』MEGUMI演じるのぞみ(C)2023 浅野いにお・⼩学館/「零落」製作委員会
 薫の陥った状況を「大人の思春期」と表現したMEGUMI。「若い時に思い描いていた自分とは違うことに気づいた薫は、自暴自棄になってとっ散らかってしまっている。こういう、大人の思春期ってありますよね。私の場合、30代がそういった状況でした」と告白する。

 2001年にグラビアデビューし、MCやタレント業でも活躍してきた彼女だが、「2008年頃にはちょっとずつ仕事が減ってきて、“あれ?”という感じになってきて」と肌で感じていたそうで、「2009年の出産後には“役者業をやりたい”“映画に出たい”と思っても、世間からは“ママタレント”として見られて、やりたい仕事が1つも来ない。頂けるものといえば、“家の冷蔵庫を見せてください”というお仕事だったりするわけです。もちろんそれが楽しかったら、なんの問題もない。でも私のやりたいこととは違っていたので、子育ては楽しいしプライベートは幸せでありつつも、仕事面ではキツかったですね」と述懐。

 打破するためには、「落ち込んでいても、今の時代は70歳でも“まだ若い”と言われるじゃないですか(笑)。“まだこれから長いぞ”と思うと、やっぱり頑張らなきゃいけない。大人になってから抱いた闇は誰も引き受けてくれないので、まずは“うまくいっていない”という現実を受け入れることから始めて。“これは変わらなきゃいけないんだな”と思って、自分が何をやりたいのかをきちんと考えた」という。

 そこで改めて握りしめたのが、“映画に出たい”という強い憧れだ。「もともと岡山から歌手志望で上京をして、誰も友人がいなかった時に『私立探偵 濱マイク』シリーズをずっと観ていて。この世界にいつか自分も入りたいなとずっと思っていた」と明かしたMEGUMI。「その気持ちを大事にして、映画をたくさん観たり、アクティングコーチを受けて芝居や脚本の読み方を習い始めたりしました。そうやって勉強していることも誰も知らないですから、“最近、出ていないね”ということもたくさん言われて。腐ってはいましたが、“目標は絶対に曲げない”と光を持って暴れていました。時間もかかってしんどい時期ではありましたが、自分にとって必要なものをふるいにかける、大事な時期だったと思います」と力強く語る。

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■女優業の転機「どんなに小さな役でも、気迫なら負けない!」

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