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黒木華主演、寛一郎&池松壮亮共演『せかいのおきく』、海外ティザー予告解禁

映画

 黒木華が主演を務め、寛一郎と池松壮亮が共演する映画『せかいのおきく』より、海外版ティザー予告が特別公開された。身分違いの3人の運命的な出会いとひたむきに生きる姿が捉えられている。

【動画】映画『せかいのおきく』海外版ティザー予告

 阪本順治監督が自身のオリジナル脚本を映画化した本作は、貧しい時代にたくましく生きる庶民の姿を通じて、人と人のぬくもりを描く。1月に開催される第52回ロッテルダム国際映画祭《ビッグスクリーンコンペティション部門》への出品が決定しており、映画祭プログラマーのクリスティーナ・アシェンブレネロヴァは「『せかいのおきく』には、今までの時代劇にはない全てがある」と賛辞を贈っている。

 舞台は、日本が世界の渦に巻き込まれていく江戸時代末期。寺子屋で子供たちに読み書きを教えている主人公おきく(黒木)は、ある雨の日、厠(かわや、寺所有の公衆便所)のひさしの下で雨宿りをしていた紙くず拾いの中次(寛一郎)と、下肥(しもごえ)買いの矢亮(池松)と出会う。武家育ちでありながら今は貧乏長屋で質素な生活を送るおきくと、古紙や汚物を売り買いする最下層の仕事につく中次と矢亮。わびしくつらい人生を懸命に生きる3人はやがて心を通わせていくが、ある悲惨な出来事に巻き込まれたおきくは、喉を切られ、声を失ってしまう…。

 海外版ティザー予告に映し出されるのは、主演の黒木、共演の寛一郎、池松という日本映画界の次世代を担う演技派俳優3人の貴重な共演シーン。雨宿りをする下肥買いの矢亮(池松)と紙くず拾いの中次(寛一郎)のもとに、一輪の花のような美しさをたたえた武士の娘おきく(黒木)が駆け寄る…。本来であれば深く関わることもない身分違いの3人の運命的な出会いの一場面が、墨絵のように美しく、鮮烈なモノクロ映像で捉えられている。

 そして、本作に彩りを添える阪本組常連のベテラン俳優である眞木蔵人、佐藤浩市、石橋蓮司らの生き生きとした姿も見ることができる。江戸の循環型社会を企画背景としている本作で描かれる下肥買いとしての矢亮と中次の仕事ぶりや、2人があぜ道を駆け抜ける躍動感あふれるシーンも印象的だ。

 さらに注目すべきは、おきくが声を失うきっかけとなった衝撃のシーンと、感謝するかのように天に向かってかしわ手を打つおきくの穏やかなほほ笑みを浮かべた表情。声を失うことで映画中盤からはセリフが無いながらも、見る者の心に迫る黒木の繊細かつ感情豊かな演技を予感させる映像となっている。

 映画『せかいのおきく』は、4月28日より全国公開。

映画『せかいのおきく』海外版ティザー予告

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