銃乱射事件の被害者両親と加害者両親―4人による<人生のすべてをかけた対話>のはじまり 映画『対峙』本編映像
関連 :
■白石和彌(映画監督)
映画を見て数日経つが、紡ぐ言葉が見つからない。とにかく凄まじいものを見た。
映画が何のために存在するのか、その一端を教えてくれた気がします。多くの悲しみと憎悪の溢れる世の中に、静かな光を差し込む映画です。
■奥田瑛二(俳優/映画監督)
自身が生きてきた経験や準備された言葉では言い表すことができず、自問自答を繰り返している。大切な人の手を握りしめることしかできない。
■瀬々敬久(映画監督)
シンプルは力強い。対話のみで加害者と被害者の心の葛藤を描き切った。人生の残酷と生きることの美しさ。何度となく出てくる「赦し」という言葉の重さ。本物の映画だ。
■坂上香(ドキュメンタリー映画監督)
埋めようのない喪失を味わった2組の夫婦が、問いかける。その先を、私たちはどう生き続けることができるのか?
■デーブ・スペクター(放送プロデューサー)
教会の密室、6年の経過を経て許すか許さないかのサスペンス。彼らが望む「完結」は得られるのか、最後まで目が離せない。
■岸善幸(映画監督/ディレクター)
罪と罰と、許し。突きつけられる問いに向きあい続けた親たち。事件の後も生きなければならない彼らの心に触れてほしい。
■香山リカ(精神科医)
人間の心はとてももろい。でも、とても深い。そして、何度でも再生する。心の専門家であるはずの私も魂を揺さぶられた。
■吉田恵輔(映画監督)
他者への想像力。少し広がるだけでも世界は暖かい。しかし簡単に出来ないのが人間。もどかしさが痛く切ない。
■浜田敬子(ジャーナリスト)
どんなに憎んでいても、赦せなくても、向き合わなければ知ることすらできない。対峙することの苦しさと、それでもその先にしか一筋の光がないことを知らしめてくれる作品。
■宮本亞門(演出家)
映像は一見、何の問題もない暮らしから始まる。だが4人の親によって子供たちの様子が炙り出される。社会や個人、加害者や被害者の気持ち、残された者、親や子とは?誰もが持ちうる混乱、疑惑、不安、恐れを炙り出す。実にシンプルだ、シンプルゆえに語られてこなかったことを語る彼らの言葉が心に響く。
不安が人を自己的にさせ、分断を生みだす今、対峙し話し合うことは可能か否か?これは演劇であり映画であり新たなドキュメンタリー、この時代が産んだ秀作だ。
■上西充子(法政大学教授)
耳を傾ける者がいて初めて、胸のうちに押し込められた思いは言葉となって姿をあらわす。
■森達也(映画監督/作家)
まさしく密室劇。対峙するのは加害者の家族と被害者の遺族。言葉をぶつけ、憎悪や絶望に身を焦がし、そして慰め合う。言葉にすればひりひり。罪と罰とは何か。ここに今の世界の多くの問題が凝縮されている。
■猿渡由紀(L.A.在住映画ジャーナリスト)
現代のアメリカで多発する学校での乱射事件を、限りなく近い距離から人間的に見つめる感動の傑作。4人の役者の演技に大絶賛を送りたい。
■名越康文(精神科医)
赦しだけが魂の救いだとしても、どうして凍てつく心の扉を、開けることなどできるだろうか。その絶望的な問いに真正面から挑んだ映画がここに出現した。この作品を通じて、あらゆる意味での人間の勇気を、我々は知ることになるだろう。